先々週だったか日本酒を嗜む集いの店
まで足早に歩いていた時のこと

普段京都には昼間訪れる事が殆どんで
夕方暗くなってから三条大橋を渡って
いる時に初めて気がついたのです

西に向かって歩いていると光輝く赤に
大きな黒い文字が浮き上がる2文字

眠眠

こんな所に眠眠があるなんてぇ

懐かしなぁ眠眠

子供の頃しょっちゅう行ってたなぁ

足早に歩きながらも懐かしの眠眠の味が
脳裏に広がった

今でこそお店の数は減ったけれど

昭和全盛期の頃

繁盛している商店街には必ずと言っていいほど
確か赤い提灯にお世辞にも綺麗とは
言い難い店構えの眠眠があった

毎週休日は家族で商店街まで買い物にでかけ

千林、土居、守口界隈でちょっと外食
するのが暮らしのスタイルだった

着いたらすぐに寿司をつまんで

買い物が終わったら行きつけの
どこかでご飯を食べる

その中の一つに眠眠があったのだ

小学生だった私は大人も顔負けの食欲で

それでも食べすぎや!等と言われる事はなく
「盛大に食え」と父親がいうので
いつも好きなだけ食べていた

眠眠はうちの爺さんお気に入りの店だった

爺さんを思い出して眠眠を食べようと思うのだが
悲しいかな私がよく行っていた眠眠は
どこも閉店して今はなく

あの頃の眠眠を、あの味を期待して
三条の眠眠へ

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まず店が立派で綺麗だ

私が子供の頃の必ず食べていた
餃子

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大きなお皿にどかんと盛られてきた餃子は
隣同士がくっついて取る時に皮が破け
具がぐちゃぐちゃになる代物でした

いつの間にか皮がパリパリで餃子の耳
なるものがもてはやされる時代となり

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綺麗に離れる餃子が何故か悲しい

具はジューシーで美味しかったです

あの頃の餃子は小ぶりで2人前は
食べていたように思う

たしか塩ベースのスープだった気がする

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ラーメンの姿が美し過ぎて、もはや別物

そしてイチオシはニラレバ炒め

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当時白の丸皿にこんもりと盛られた
ライスを必ずつけていました

肉厚のレバーは小麦粉でまぶして
下味をつけた手間がかけてある

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もっと薄くて手間のかかってない
ニラレバでしたなぁ

えろう上品なニラレバ炒めです

モヤシがシャキシャキで美味しい

さすがにライスは注文を躊躇う胃袋

これが子供の頃のいつもの眠眠メニュー

残念ながら記憶に残る眠眠の味は
当然でしようが無かったですね


お店の中は男性客が殆どでお昼時は満席

それでも後から家族連れのお客さんが
来られるとお二階へと案内しており

厨房を覗き込むとこのお店にもありました

作った料理を二階へ運ぶ岡持ち程のエレベーター

子供の頃、これを眺めるのが好きでねぇ

二階へ通されたら厨房の様子が分からない
食欲旺盛の私は料理が運ばれるのが待ち遠しくて

このエレベーターをずっと座敷から眺めてましたわ


食べるは生きることに通じる

ただお腹を満たすだけではないんですよね


食の思い出はハレの日に行ったレストランにはなく

普通の日々の暮らしの中にあり

そしてその中に愛もあるんですよね

あの時の親は50年近くたって
こうして思い出すだろうなんて
思わずに食べさせてたはずです

あの時の私も、今の気持ちを知る由もない


食べることはストーリーを生み心も育つ


あなたにはどんなストーリーがありますか?





15日に第7回のコラムは更新されました
このまま引き続き読んで頂くと嬉しいです
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