今年4月に父を看取った。やっと物事も精

神的にも落ち着いて来たところだったのだが、

介護施設に入居する母の様態がいよいよ危う

く、医師から面会の呼び出しを受けた。

 

 脳出血で寝たきりとなり、8年目。ともか

くひどい脳出血だったため、一命はとりとめ

たもののここまで療養期間が長くなることは

想定していなかった。車椅子に乗せてもらい、

食事を続け、入浴もするなど人間らしい生活

を続けてこれたのは幸せだったと思う。

 

 食が細くなり嚥下機能の低下があると報告

を受けたのは6月中旬だった。いよいよほと

んど食事を口にしなくなり、看取りケアに入

るとの説明を受けた。当初から延命治療は希

望しなかった。

 

 脳出血で倒れた時点でいつ死んでもおかし

くなかったので覚悟はできていた。生きてい

ると言っても家族の認知もままならない状態。

それでも母が母の姿で存在してくれているの

は大きな力になって来た。

 

 看取りケアは約1か月と聞いた。父に続き、

母までも。誰もが通り過ぎる道。がんばるし

かない。