シュシ・スライマン「赤道の伝承」
古代より神秘的な力を持ち、
国境を超えたつながりを作り出している赤道地帯。
シュシはその不思議なパワーに惹かれ、
自身が生まれた風景としての「赤道」に対する
知識を探求しつづけてきました。
その古代からの赤道の力と現代の生活との精神的、
抽象的なつながり、また彼女自身の精神性と、
生まれ故郷とのつながりといった、
ミクロとマクロの視点を作品として提示した展覧会です。
構成は、「パブリックな創造活動」と、
「作家自身の創作」の二つ。
上の↑↑水壺は、「アートの保全」をテーマに、
マレーシアの伝統技法による手びねりの水壺
「Labu Sayong」100個。
購入した方がいるので、
所々水壺はなくなってました。
「作家自身の創作」である、
赤道にまつわる伝統的な素材、
手法を用いた小さなアートワークが並び、
「赤道の伝承」インスタレーション作品として
展示されます。
放棄された木材を使った山の立体作品や、
ゴムの樹液を使ったペインティング作品、
地図の上に土の点が無数に描かれた地図など。
古代より東南アジアでの重要な植物である
タピオカの成分で作られたバスケット。
マレーシアの伝統では、
自分と周囲の事物との深いつながりを見出すために
動物や植物に語りかけるように教えられており、
ものに宿るエネルギーの力が信じられています。
現代忘れられがちな自然との関係を
私たちに思い出させてくれるでしょう。
生き物へのリスペクトと古き良きものを
繋いでいく大切さを感じながら
ギャラリーを後にしました。