味噌と糞とどっちが大切?…てな設問でつね(笑) | アロマンサー気まぐれ雑記

味噌と糞とどっちが大切?…てな設問でつね(笑)

愛がないのとお金がないのどっちが辛い? ブログネタ:愛がないのとお金がないのどっちが辛い? 参加中

ミニシアターなどで若い女性達から高評価を得ていた『Into the wild』という映画のDVDが、先日レンタル開始となった。

見ておきたかった『チェ・ゲバラ』と『ノーカントリー』も借りてきて、久しぶりに自宅で3本立て上映を楽しんだ。

僕の個人的評価は…
『Into the wild』★★
『チェ・ゲバラ』★
『ノーカントリー』★★★★★

『ノーカントリー』は実に深みのある哲学的作品だったが、かつて憧れだったゲバラを描いた『チェ・ゲバラ』には、新鮮味を全く感じなかった。

で、『Into the wild』は、ブログテーマとも重なるところのある映画だった。

主人公は大学を卒業後、親から貰っていた、ロースクールの学費には少し足りない預金を大学に寄付し、手持ちの現金は路上で燃やして、放浪の旅に出る。

彼にとってお金はサムマネーに過ぎず、生まれ変わりと愛の奪還こそが、生死を賭けた彼のテーマだ。

放浪の果ての終着地は、冬のアラスカ。荒野に入り、野生の中で命を繋ぐ。己れの過去や脆弱さと訣別するためだ。

目的が達せられたかに見えた雪解けの春、しかし自然は逆襲する。河の増水で帰路は閉ざされ、毒草という「自然の罠」に落ちて、彼はその短い生涯を閉じる。

…古くて新しいアンビバレントの、地獄巡りの物語。その底には、一貫して愛とは何か、という問いが流れている。

事業に成功する前に崩壊した両親の愛は、モアマネーのために失われた愛とも言える。

「お金は物の見方を歪める」から不要だと彼は語る。死の間際に彼が書き残したのは、「共に喜びを分かち合うこと、それが幸福」といった意味の言葉だった。

美しい自然の中で描かれる、童顔なのに髭もじゃで逞しいストイックな「男の子」の成長物語…結末は、悲劇的現実。なるほど、この映画が若い女性に人気だったのも頷ける。現代の若き日本女性は、こういう男の子をペットとして飼いたがるからだ。

さてしかし、この映画も、それに共感する観客も、僕には単なる甘ちゃんにしか思えない。

自然の中での餓えは描かれても、人間社会の中での貧困は描かれない。本当は、サムマネーすら得られない貧困がもたらす愛の破壊こそ、問われるべきだろう。百歩譲っても、主人公の両親にこそ、本当の人生ドラマは存在する。しかしまあ、そんな悲惨なものなど、誰もお金を払ってまで見たくはないのだろう。

…愛のない辛さも、お金のない辛さも、僕は知っているつもりではある。愛こそ全て。そしてサムマネーも必要。両方揃って、初めてハッピー音符…それが僕のスタンスだ。どちらが欠けても、辛さに優劣はない。

ただし、愛は磨耗するし、サムマネーだけでは、お金は殖えない。愛には常に、新しい風が必要だし、サムマネーも時間を味方にしてそれなりに育てなければ、やがては貧困に陥る。

味噌も糞も、なければ困る大切なものだ。