ケトン体(Ketone bodies)とは、肝臓で脂肪酸から生成される3つの物質の総称です。

これらは、アセトン、アセト酢酸、およびβ-ヒドロキシ酪酸を含みます。

 

ケトン体は、炭水化物の供給が不足している時、例えば断食中や炭水化物を極端に制限した食事(ケトジェニックダイエット)をしている時に、エネルギー源として体内で利用されます。

 

通常、私たちの体はエネルギー源として炭水化物から得られるグルコースを主に使用しています。しかし、グルコースが不足すると、体は脂肪をエネルギー源として分解し始めます。この過程で生成されるのがケトン体です。ケトン体は、脳を含む多くの組織でグルコースの代わりのエネルギー源として使用されます。

 

ケトン体の生成が増加すると、血中のケトン体濃度が上昇し、これをケトーシスと呼びます。適度なケトーシスは、特にケトジェニックダイエットなどで目指される健康上の状態ですが、極端に高いレベルのケトーシスは、糖尿病性ケトアシドーシスなどの健康リスクを引き起こす可能性があります。

 

ケトン体の利点としては、持続的なエネルギー供給、飢餓感の減少、体脂肪の減少、炎症の低減などが報告されています。しかし、ケトジェニックダイエットやケトン体の利用は個人の健康状態や体質によって異なるため、専門家のアドバイスを受けながら行うことが推奨されます。