今日、ご紹介する絵本は
『くまのこポーロ』 前田まゆみ 作・絵
主婦の友社
皆さまはマタギとよばれる東北地方の
猟師さんに伝わる「いちご落とし」
という伝承をご存知でしょうか?
こぐまが大きくなり、子別れの時期
がくると、母ぐまはこぐまを木苺の
ある場所に連れていき、こぐまが
夢中で木苺を食べているところで、
そっとその場を離れて、母ぐまは
姿を消す、という伝承です。
なんとも切ない、子別れのお話。
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この絵本は、そんな子別れの
伝承とくまのこポーロの自立
のお話がテーマとなっています。
誰もが迎える別れと自立。それを、作者の
前田まゆみさんはなんともいえない、
さわやかな結末へと導いてくれています。
また、前田さんのイラストの美しさ、
可愛らしさ(ただ可愛いのではなく、
凛とした静かな可愛さ)が、物語を
引き立てます。私は前田まゆみさんの
イラストのふわっとした雰囲気が
大好きで、他の著作も持っています。
(それはまた別のブログ記事で
書きたいです♡)
この絵本を読むと、子育てについて
子どもの自立について、
私自身も色々と考えさせられます。
子どもが育つ喜びと、
自分の手を離れていく
一抹の寂しさ・・・
この作品はそんな難しいテーマを
内包しながらも、堅苦しくは
なく、可愛いくまの子ポーロの
成長の様子を親子でも、大人
になっても楽しめる素敵な絵本
です。ぜひ、一度お読みください♡
さて、前田まゆみさんといえば、ベストセラー
『翻訳できない世界のことば』の翻訳者としても
大変有名な方です。ぜひ、こちらの本もまだ
読んでみたことがない方で、
気になった方は読んでみてくださいね。
それでは、また。ふんわり〜