難病指定の
【脊髄小脳変性症】
1. 「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」とはどのような病気ですか
歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。
動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ないという症状です。
主に小脳という、後頭部の下側にある脳の一部が病気になったときに現れる症状です。
この症状を総称して、運動失調症状と呼びます。
この様な症状をきたす病気の中で、その原因が、腫瘍(癌)、血管障害(脳梗塞、脳出血)、炎症(小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害ではない病気について、昔は、原因が不明な病気の一群として、変性症と総称しました。
病気によっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので、脊髄小脳変性症といいます。
脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、この運動失調症状をきたす変性による病気の総称です。よって、その病気の原因も様々です。
現在では、脊髄小脳変性症の病気の原因の多くが、わかってきています。
しかし、一部まだ原因の解明されていない病気も残されています。
☆これらの病気の解明には多くの患者さんのご協力を必要とします。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
多くの脊髄小脳変性症で病気の原因が判明しました。その原因に基づき、多くの研究者が研究を進めています。
ヒトと同じような機序で同じ症状を出す動物(モデル動物)も作られています。
それらのモデル動物を使って症状の進行を妨げる薬剤も多数報告されています。
しかし、現時点では、残念ながら、それらの薬剤がヒトで有効である事は確かめられていません。
ヒトでの安全性やヒトでの試験の難しさが壁になっています。
また患者さんの数が、高血圧や、糖尿病に比べて少ないことも壁になっています。
日本は、このような患者さんの数の少ない疾患にも、精力的に取り組んでいる国の一つです。
今後、必ず、有効性のある薬剤が開発されることが期待されます。
☆病気の進行を止める薬の開発には、多くの患者さんのご協力が不可欠です。