死別と悲嘆(グリーフ)の理解 ~事例から見る死別と悲嘆の実態~
上智大学グリーフケア研究所の高木慶子先生のお話を聞いてきました。
私が、訪問させていただいてる緩和ケア病棟のある病院のボランティア室に
この上智大学のグリーフケアの講座の案内が貼ってあって
一度、聞いてみたいと思っていたのです。
緩和ケア病棟には、すでにその講座を受けられていて、実習と言う形で、緩和ケア病棟の患者様への
ケアに入られている方もいらっしゃいました。
私たち、アロマセラピストも緩和ケア病棟の患者様や、クライアント様のケアをさせていただくときに
何もお話しをしないと言うことはあり得ません。
アロマセラピストとしてのインターン実習で、緩和ケア病棟に初めて行ったとき
正直言って、患者様やご家族様にどう接したらいいのか
とっても、迷いました。
そして、訪問が終わった後に
「あんなこと言ってよかったのだろうか?」
「患者様を嫌な気持ちにしていないか?」
「ご家族様にどう思われたか?」
たくさんの想いが頭の中で、飛び交い
最初のうちは、頭と心がモヤモヤした状態で戻ることが多かったです。
今でも、そんな風に思うことは、少なくありません。
高木先生は、おっしゃっていました。
病院と言うところは、ほとんどの人が苦しく辛い気持ちを持って来られています。
スタッフ以外の患者様、ご家族様、友人・・・全て。
そこにいる人が、今、大切な人を失ったとても辛い想いをしている方である可能性があることを忘れてはいけません。
だから、スタッフが、怖い顔をしていたり、大きな声で怒ったり、冷たくしたり・・・
そんなことは、絶対にいけませんよ。
そうですね。
高木先生のおっしゃる通りです。
分かっていても、スタッフも人間で、いろいろな心情もあり
つい、忘れてしまう時もあるでしょう。
私も、アロマセラピストとして、病院に行くことが多くなってきました。
この、高木先生の言葉は、忘れてはいけないと思います。
高木先生の症例の話もいくつかきかせていただき
涙が出そうになる話もありました。
「グリーフケアにはマニュアルはないんです」
自分の物差しで見ないこと
喪失感とは、自分の大切なものを取り去られたときの気持ちです。
プライドを傷つけられた喪失感
無視された喪失感
それぞれの気持ちに寄り添うのがグリーフケア
私に、何が出来るか?
改めて考える時間となりました。
後、心に残った言葉は
自分自身の死を迎える前に、多くの人々は「おきりびと」であり、最後に自分が「おくられびと」となる。
その後、私は、長く一緒に働いた仲間のお通やに行き「おくりびと」となりました。
自分の大切な人をおくるのは、とっても辛い。
自分にとって大切な人ほど、「おくりびと」には、なりたくない。「おくられびと」になりたいことを想像しながら
戻りました。
その、現実を受け止める勇気を誰もが持ち、乗り越えていかなければいけないのですね。
そこに「人生」の深い、深い意味があるのでしょう。