今日は私の幼少期の印象に残っている出来事を紹介したいと思います。
幼稚園に入る時、通園時の事です。
私は母に手を引かれて歩いて通園していました。
幼稚園に送られ、母と離れるのが嫌でだだをこねていました。
嫌というか、とても引っ込み思案で、怖かったんですよね。穏便たれっ子。
『おかあさん、帰らんで!』とかなんとか言っていた記憶があります。正確には思い出せませんが。
で、駄々をこねまくりの私は親と交渉(笑)の末、
『亀さんの所でずっとおるから。待っとるから幼稚園に行きなさい。』と。
『じゃ、ここで隠れて待っといてよ。帰らんでよ?』などと念を押し納得して幼稚園に行ってました。
毎朝幼稚園に入る前の日課のように、『おかあさん、亀さんの所で帰らんで待っといてよ?』それが当分続いたように思います。
この『亀さんの所』というのは、幼稚園に隣接の小学校の手前、道端に池がありまして、岸から池に沈んだ倒木に亀が日向ぼっこをしていた場所があり、通園時に立ち止まり亀を探すのがこれまた日課だったのです。
この池は『稚児の池』と呼ばれていて、後に池が倒壊し、埋め立てられ、隣接する小学校のグラウンドになりました。
幼稚園生活に慣れるまでの毎日、お約束のように母に同じ事をたずねる毎日。
私には弟も妹もいましたので、今考えると家に帰らず私の帰りをずっと隠れて待ってるなんてことあり得ないこと(笑)
でも、幼い私はその言葉でなんとか納得し、安心して幼稚園で待つ先生の元へ向かうことができました。
嘘というのは、あまり歓迎されるものではありませんが、
時として大人世界でも許される嘘というものもありますよね?
それはその人を思いやる気持ち、愛のカタチとして成り立つものに限られることであるとは思います。
人を蹴落とし、自分を優位な状況にしたいと思う人間は多いもの。
安心や勇気などに繋がる嘘は、後々の記憶で許されると信じたいな。
私自身、今回紹介した親の優しさ感じる嘘は心あたたかくなる記憶のひとつ。
許すもなにも、むしろ感謝状を送りたいくらいですね。
最後までお読み頂いた方、ありがとうございました。
おそまつさまでした。