ハロ
窓を開けて 小さく呟いた
ハワユ
誰もいない 部屋で一人
モーニン
朝が来たよ 土砂降りの朝が
ティクタク
私のネジを 誰か巻いて


ハロ
昔のアニメにそんなのいたっけな
ハワユ
羨ましいな 皆に愛されて
スリーピン
馬鹿な事言ってないで支度をしなくちゃ
クライン
涙の跡を隠す為


もう口癖になった「まぁいっか」
昨日の言葉がふと頭を過る
「もう君には全然期待してないから」
そりゃまぁ私だって
自分に期待などしてないけれど
アレは一体どういうつもりですか


喉元まで出かかった言葉
口をついて出たのは嘘
こうして今日も私は貴重な
言葉を浪費して生きてゆく


何故隠してしまうのですか
笑われるのが怖いのですか
誰にも会いたくないのですか
それ本当ですか
曖昧という名の海に溺れて
息も出来ないほど苦しいの
少し声が聞きたくなりました
本当に弱いな


一向に進まない支度の途中
朦朧とした頭で思う
「もう理由を付けて休んでしまおうかな」
いやいや分かってますって
何となく言ってみただけだよ
分かってるから怒らないでよ


幸せだろうと 不幸せだろうと
平等に 残酷に 朝日は昇る
生きていくだけで精一杯の私に
これ以上何を望むというの


何故気にしてしまうのですか
本当は愛されたいのですか
その手を離したのは誰ですか
気が付いてますか
人生にタイムカードがあるなら
終わりの時間は何時なんだろう
私が生きた分の給料は
誰が払うんですか


サンキュー
ありがとうって言いたいの
サンキュー
ありがとうって言いたいよ
サンキュー
一度だけでも良いから
心の底から大泣きしながら
ありがとうって言いたいの


何故隠してしまうのですか
本当は聞いて欲しいのですか
絶対に笑ったりしないから
話してみませんか
口を開かなければ分からない
思ってるだけでは伝わらない
なんて面倒くさい生き物でしょう
人間というのは


ハロ ハワユ
あなたに ハロ ハワユ




人が紡ぎ上げた欠片達を窓の外から眺め続けた
ドアを作る事も出来なかった
それは幼い僕のプライド



  美女と野獣の王子は
  魔法を掛けられ人から
  醜い獣の姿になりました。


  私は自らに魔法をかけ
  醜い人から美しい獣になりました。





『隠し事をしてました 傷つくのがいやでした』
やっと築いた僕だけのお城は余りに空虚で満ちていました


ある日現れたあなたは僕が望む全てを持ってた
僕が積み上げたレンガを容易く飛び越え触って気付いた


「悲しいくらいつめたいね ずっと寂しかったんだね」
怯えて 離れて 飾って 測って
焦って 乱れて 貶して 逃げ出した



人が紡ぎ上げた欠片たちが折り重なるのを羨んでいた
孤独に作り上げた僕の城
ドアを閉ざした僕のプライド




 秀麗な面立ちと死なない身体を手に入れた私は
  一人で何でも出来る気になっていたのです。




『隠し事をしてました 失うのが嫌でした』
やっと現れたお城の住人
初めての愛に戸惑いました


「同情なんかはよしてよ お前にわかってたまるかよ」
握って 齧って 零して 暴れて
それでもあなたはひろって掴んでた


行き交う群衆の愛を見つめ一番大切を避け続けた
孤独に慣れ親しんだこの身が
日だまりで溶けるのを許さない



 だから猶の事、他人を必要だと思う
  自分が許せなかったのです。


  強がりは半世紀に渡り
  …それはあまりに幸福な時間でした




『隠しごとをしてました それが愛と知っていました』
そっと消えていった城の住人
恐れた感情が込み上げました


『隠しごとをしてました 永遠の愛を望みました』
与えられたのは永遠だけ
初めて人のため吼えました



「扉を開いて
 縋って 握って 笑って 紡いで
 愛せばよかったなぁ…」



与えられた温もりの影が
僕の孤独の城を許さない
自分で枷をはめたこの身体
永遠に僕の終わりを許さない


行き交う群衆に愛を蒔いて
永遠に涙を紡ぎ続けて
またあなたに会えるその日まで
何千年先も待ち続ける




会いたい気持ちで僕を 苦しませたいんだろう?
だいたい君を把握してる
思惑を排除 最低なキスをしよう


そして僕は 白か黒か
背中合わせの悪夢
深海から 響く様な声で目が覚める


冷たい水で潤して 振り払った
駆け引きばかりの日々でも
愛し愛されて アディクション


会いたい気持ちで僕は 囚われた感覚
だいたい君を把握してる
臨界を削除 侵食は始まった


歪みだした 微妙な距離
隙を伺いだすミッション
ありきたりな言葉で踏み込む
so what? 毎回さ


雄弁な君を見てると 解ってはいても
極端なたとえ話で 手懐けられた気にもなる


限界まで近づいて だけど超えられない
そういう事で今日もまた
意味深な態度 迷いながら眠って


最終まであと5分 無くなった口数
「来週またね」なんて声
揺れるコートへと手を伸ばした


そして


会いたい気持ちで僕を 苦しませないでくれ
結局君が把握してる
掛け金は削除 最高のキスをしよう