TUHUクラブ入会記念日
赤紙は忘れた頃にやってくる。 うちの職場には痛風歴十数年という男がいる。 私は何度か彼が松葉杖などをついているのを見ており、その姿を余裕で笑っていた一人であった。 そう、つい数日前までは・・・ よく考えてみれば、私も何年も前から健康診断の度に「この尿酸値の数値はボーダーラインで、いつ発作が出てもおかしくなですよ。」と注意はされていた。 それでも今までなんにもなかったから、節制もせずにすっかりその状態に慣れ、時は過ぎていった。 その日は丁度昼間に嫌なクレーマーに捕まって苦労していた同僚を慰めようと急遽酒飲みに出かけた。といっても私はここ数年ほぼ毎日自宅で飲んでいるから、酒飲み自体は珍しくも何ともないのだが。 今から思えば、前日辺りから足の甲が痛み出していたのだが、ちょっと筋でも痛めたのだろうとたかをくくっていた。 その日はよりによって、ビールをジョッキ3杯ぐらいに後は焼酎を数杯、食べ物は刺身少々、レバニラ、卵焼きなどなど、考えてみれば尿酸値が高くなる物ばかりだった。 宴会帰りに歩き出してみると、その時すでに足は歩きにくいぐらいに違和感があった。 それでもまだ痛み自体はアルコールで麻痺していたせいもあるかもしれないが余裕があり、家に着くと丁度届いていた人間ドックの結果の通知を見ていつものように尿酸値はボーダーラインであることを確認したりもできた。(実は尿酸値よりさらに深刻なデータもある。) 深夜、足の痛みに目が醒めた。 トイレに行こうとしたところ、なんと右足を着くと針を刺したような痛み。足の甲がピンク色に腫れている。 長い夜をうつらうつらと過ごして、職場に休みの電話を入れて整形外科にいった。この時もこれが痛風だとは思っていなかった。足が着けないので、杖代わりに子供の竹刀をつきながらタクシーを呼んで乗っていった。田舎の落ち武者みたいだったろうね。 医者はさすがに慣れたもので、足をみるなり「痛風でしょうね。」と診断した。 まだまだ初心者なので、炎症止めの薬を飲んだらすぐに刺すような痛みは消えて、翌日から職場復帰ができた。 職場では、冒頭に話したベテラン痛風クラブ員が、やたら嬉しそうに迎えてくれた。 昔は贅沢病とまでいわれた痛風に、家の残飯処理のような食生活の私がなるとは思わなかった。 以降、家での晩酌は控えている。それでもきっと末永くお付き合いすることになるのでしょうね。