【神の手の造形者(ゴッドハンド・クリエイター)】
数百年前から世界中でその名を知られる芸術家『ロウエン』を指す言葉。
彫刻家として広く知られている人物ではあるが、絵画の世界においてもその道の人間ならば誰もが知るほどの腕前と言われ、残された作品は彫刻、絵画問わず一国の国宝に値するほどの価値が認められている。
中でも最も有名な作品はミナガルデを始めシュレイド大陸各地に残された【武神像】だが、武神像に施された緻密な加工とその素材の性質上、龍の鱗を引き裂き思い通りの造形に仕上げる事が可能な、異次元の加工技術を有した人物であったと語られている。
【修羅龍樹(しゅらりゅうじゅ)】
『森羅教』教祖の本名を出身である東方の読みに直したもの。
森羅教は世界中に三千万人の信徒を擁する最大宗派であり、中でもシュレイド大陸の何処かの山奥には、その教祖を祀る神殿とそれを守護する屈強な山伏達の集団が存在すると言われ、森羅教中枢勢力はハンターズギルド同様各国より危険視されている。
信徒らの間では、教祖シヴァ=ナーガルジュナが千年の時を生きる現人神と信じられていると言う。
【深き森の幻影(ふかきもりのげんえい)】
旧シュレイド時代、極めて優秀な頭脳と謎の秘術の数々を併せ持ち『魔女』の異名で畏れられた謎多き宮廷錬金術師ミヅハ、もしくはその襲名者を指す。
ミヅハが深き森の幻影と呼ばれる由来は、古くから現代に至り大陸に根強い「優秀な頭脳と革新的な理念を持つ女性」への差別により迫害され、行き場を無くした者達が辿り着くと伝わる地『虚影迷森(ホロウ・フォレスト)』に因む。
そして虚影迷森とは実際の森では無く、ミヅハの元に集った者達により結成された宗教団体を表す隠語とされており、大陸の権力者達からは森羅教中枢勢力と並ぶ危険因子と見なされている。
その理由は、ミヅハを初めとする虚影迷森の信徒達が、何れも屈強な戦士すら幻惑する不可解な秘術の数々を操る事による。
現在も教主の名はミヅハであるとされているが、初代から数えて何代目に当たるかは不明であり、虚影迷森自体の信徒総数も明らかでは無く、森羅教と比べ極めて閉鎖的かつ排他的な団体組織である。
【神の踊り手(かみのおどりて)】
シュレイド大陸に広く伝わる東方大陸出自の舞踊の型『夢幻扇陣』。その開祖に極めて近しいと伝わる双子の尊称。
「夢幻」に例えられるその舞いは優雅にして流麗、時に力強く時に繊細な美しさは見る者悉くを魅了し、戦場に在って戦士に戦いを忘れさせる魔性を秘めると語り伝えられてきた。
双子は少なくとも数百年以上前の時代に生きた人物であり、現代での夢幻扇陣は嗜む者こそ多くあれど、正当な伝承者はおらず舞踊としての奥義は失われ、源流である武術『無限閃刃』としての技術は完全に途絶えたと言われている。
【一なる皇剣(いちなるこうけん)】
シュレイド大陸に古くから伝わる東方の剣術『皇一刀流(すめらぎいっとうりゅう)』の開祖を指す尊称。
現在の皇一刀流は数多の分派に枝分かれし、その流れを汲む剣術使いは世界に数百万人存在すると言われるが、源流は既に途絶えたと伝わる。
その一方で、正当な継承者ではないかと噂される凄腕の達人が現在に至るまでシュレイド大陸にて度々目撃されており、当代は今尚健在なのではないかとまことしやかに囁かれている。
しかし不可解な事に、数百年の時を跨ぎ目撃された達人は何れも竜人の身体的特徴は一切見られ無いながら、一様に200cmを優に越える巨躯の持ち主だったという。
【武御火土(タケミカヅチ)】
火の国にて信仰される焔と土を司る神。現在より千年ほど前、政争により国を追われ尚も命を狙われていた多くの人々を救い、本来人が住めない過酷な火山地帯での移住の基礎を築いた。
甲冑では活動すら困難な火山地帯に逃れられた上、堅固な要塞まで建てられ地の利を完全に失った追っ手は追撃を断念し、人々は過酷な灼熱の大地でようやくの平穏を手にした。
時が移ろい守護の要塞が王都へと姿を変えた頃、神は名も告げず密かに国を去ったと言う。
その後、建国の際に最も尽力した建国王と妻子もまた「我らは神の御前へ馳せ参ぜねばならない」と言い残し、忽然と姿を消した。
武御火土は残された人々が献上した尊称であり、武御火土に続き間もなく去った建国者についても、その治世は無きに等しいが、民は畏敬の念を込め建国王として歴史書にその名を刻んだという。
【ロストシュレイド家(ろすとしゅれいどけ)】
千年前、世界を制覇したと伝わる古シュレイド王国の建国王と、彼に連なる一族を指す言葉。主に現シュレイド王家と区別する目的で古シュレイド王家に対し用いられる名称。
伝承によればシュレイド王国が世界を制した僅か十数年後、建国王は裏切りによってあえなく命を落とし、国家自体もその混乱に次ぐ【大いなる龍の災厄】に見舞われ滅亡、世界大国シュレイドは一代にして早過ぎる終焉を迎えたという。
そして現在より百年ほど前、大陸外より「シュレイドの正当なる王家は既に断絶しており、現在の王家は偽りの家系である」との情報が持ち込まれ、大陸中に多くの血が流れる変事に発展した。
今では現シュレイド王家により徹底した情報統制が行われているものの、ギルドや大陸外の勢力の歴史書の流入より、一般にもある程度知られた公然の秘密として扱われている。
また情報源はなく完全に風聞の類ではあるが、「ロストシュレイド家は今尚存続しており、世界は彼らによって影から支配されている」との説話も存在する。
【崩王(ほうおう)】
古シュレイド王国建国王の異名。
元は自称であるらしく「古き世を打ち崩し、新たな摂理を打ち立てる王」との想いを込めて名乗ったとされる。
出自は山深い寒村の貧民でありながら己の腕一つで成り上がり、僅か数十年で大陸はおろか、世界をも征する超大国の王として君臨した空前絶後の人物故に、その自称は正に相応しいものだと古今東西の学者達から広く支持されている。
世界各地に残された文献からその実在にはほぼ疑いの余地がないと結論付けられているが、現シュレイド王国領内で彼やロストシュレイド家の名を口にしようものなら忽ち罪に問われる為、何れもシュレイド大陸においては存在しない歴史として扱わねばならない。
そんな彼も、最期は裏切りによって命を落とすという、数多の権力者同様のある意味順当な死を迎えたという。
この時何処とも無く赤衣の詩人が現れ、彼の有名な“黒龍伝説”を謳ったと伝わる。
【赤衣の詩人(せきいのしじん)】
シュレイド大陸の歴史書の中に度々その名が記される怪人物。
その名が初めて記されたのは古シュレイド王国の滅亡の際であり、ロストシュレイド家との関わりも指摘されているが、厳密には断定出来ない為この人物に対しては現在の東西シュレイド領内における箝口令は敷かれていない。
また、千年に渡り目撃されてはいるものの、何れもその面貌は目深に被ったフードで覆われていたとされる為、全てが同一人物とは考え難く、襲名者か模倣者とされる。