映画『源氏物語 千年の謎』 | 『今夜もおお腹いっぱい』

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 源氏物語の単なるなぞりではなく、藤原道長と紫式部の恋愛関係(これは学説としてあり)という背景事情をを絡めながら進みます。封切り初夜に見た身としては、細部のツッコミは尽きないとして、総体的には楽しめました。

 作品の根幹「紫式部の道長に対する情念が源氏物語を書かせた」説は、すでに源氏物語が道長により政争で敗れ去った源氏一族や兄道隆流の伊周ら、また皇位継承から外された朱雀流や冷泉流に対する鎮魂説が確立している以上、今更の勝ち目ない異説の感があります。何でも恋愛に絡めようとするのは現代芸術の悪弊ですが、新説を提唱しようという意欲だけは評価できます。
 各論では、異論も多い。始まりが、紫式部の夜歩きを襲ってレイプする道長。この時代の身分ある男女が夜独りで外出することがあり得ない上に、道長に続いては、光源氏が六条御息所らを次々と(-.-;) 源氏物語原作では合意の上の媾合だったはず?と映画描写に疑問でした。
 かえって、源氏物語原作では光源氏のレイプに近い藤壺との情交が、逆に藤壺から光源氏を別室に誘って自ら彼の服を脱がすって、いきなり“大河ドラマ「江」的史実蹂躙”だったのには、生半可なフェミニズム思想の悪弊を垣間見せられました。
 さらに、何度も酒宴を開く道長の同席者が、なぜいつも晴明ら二人だけ? 晴明が物語の中に入って六条御息所を調伏するのも納得いかない。
 今回最大の注目は、「なぜ今頃、田中麗奈?」 今や同名のモー娘。メンバーの方が早く検索にヒットする彼女が採用されるなんてなぜ?と思ったけど、映画で納得。彼女に勝る生き霊顔はない!煜 まさに生き霊役を演じるために生まれてきたような女優! 人間何かしらの長所があるものよ!(^^;☆\(▼▼#)))

 源氏物語のあら筋や概略だけでも歴史的背景が分かってないと見れない映画(上映時間の関係もあり、初心者への説明的描写はかなり割愛されている)だとはいえ、逆に多少でも源氏物語をかじっている人には面白く見られ、娯楽作品としてはよくできている。映画が藤壺出家で終わったということは続編の余地があります。“紫の上編”“宇治編”で三部作にでもするつもりか?興味は尽きません。