フトしたキッカケから、最近、松本清張氏の作品を、読み漁っています。
ヴォルテールが、とか、18世紀の啓蒙主義が、という本は、「読まなきゃいけない」本で、ずっと文字を追っていると、だんだん疲れてきて。。。
何が書いてあるのか、頭に入らず、ぼーっとしてしまいます。
そんなとき、松本清張の文庫本を手に取ると。。。
やめられない、とまらない!!
夜ご飯を食べても、お風呂に入っても、続きが読みたくて、ついつい夜更かし。
朝、頭がさえているハズの時間にも、寝不足で、ヴォルテールの伝記 (4巻まで到達!!) に集中できず。
気がつくと、また新しい文庫本を開いている。
このサイクルから、抜けられませぬ~!!
清張さんの、何が面白いかって。。。
平易でいながら、ところどころ、ハッと思うような斬新な表現に驚かされる。
しかも、それが的を得ていて、その場の情景がハッキリ思い浮かぶ。
文章の修業は、かなりされている、と見た。
純文学の出身で、芥川賞をとっている方だし。。。
そして、ストーリーの面白さ。
あちこちに、謎めいたプロットがちりばめられ、読者は好奇心をマックスまでそそられて、ウズウズするのですが、最終的には、すべて回収されます。
そして、いまとなってはセピア色の、戦後昭和の情景描写。
まるで、タイムトリップしているような気分にさせてくれます。
ただ、ミステリー的要素が濃い作品では、登場人物の視点が、頻繁に入れ替わることがあって、読者としては、一人の人物になかなか感情移入しにくい、という難点は、あります。
さらに、もう一つの発見。
それは、松本清張氏の作品は、たくさんドラマや映画にされていますが、それらが、かならずしも原作に忠実ではない、というコト。
テレビドラマより、小説は概して、ドライでして。。。
なかなかシビアな結末だったりします。
『黒革の手帳』は、ぜったいに、原作のほうが、面白い!!
ちなみに、フランスのアマゾンで検索したら、『ゼロの焦点』『砂の器』『声』については、仏訳があるようです。
というか、逆に、それだけしか翻訳がないんだ。。。と、思ってしまいました。