ヴォルテールとシャトレ侯爵夫人の物語。つづきます。
ルイ15世から、修史官に任命され、年金も受け取っていたヴォルテール。
パリのブルジョワの家に生まれた彼ですが、いまやれっきとした宮廷人。
立身出世を遂げた、と胸を張ってもいいはずなのですが。。。
ライバルや敵も、あまたいて。
みんな、すきあらば足をすくわんと、虎視眈々。
訴訟、ゴタゴタ、誹謗中傷に絶えず見舞われ、ご本人は、報われ感がイマイチだったようです。
そんなとき、プロイセン国王フリードリヒ2世から、熱烈なラヴコールが届きます。
フリードリヒは、フランス文化に心酔して、まるで宝石コレクターのように、フランスのほこる知識人を、ポツダムに呼び寄せていました。
シャトレ夫人エミリーの、かつての愛人、数学者モーペルチュイもその一人。
祖国は、自分を正しく評価してくれない。
自分にとって、幸福はプロイセンにある!!
ヴォルテールは、フリードリヒ2世こそ、文化を解する優れた君主でアル、と思い込んだ。
プラトンのいう、「哲人王」の理想を見ていたのかもしれない、です。
フリードリヒの誘いに気もそぞろなヴォルテール。
でも、独占欲の強いエミリーは、断固として、プロイセン行きを阻止する。
二人は、もはや「恋人どうし」というよりは、学問を愛する「同志」という関係であったらしいのですが。
じっさい、ヴォルテールの愛情は、姪っ子のドゥニ夫人のほうへと向かい、まるで恋文みたいな手紙を送っています。
そこには、セクシャルな文言もあり。。。
血のつながった姪に。。。ねぇ。
なんだか、怪しいですネ。
いっぽう、エミリーの心境にも、変化が訪れます。
長くなるので、また次回。
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