『华山论剑之五绝争锋(華山論劍之五絕爭鋒)』
2025年 8月~ 中国 全6話
出演
黄药师(黄藥師)→周一围(周一圍)
欧阳锋(歐陽鋒)→高伟光(高偉光)
洪七公→明道
段智兴(段智興)→何润东(何潤東)
葭蘭→裴佳欣
四部構成の最終章。
ネタバレ 第1話~第4話。
第一弾のサブタイトルにもあった、秘儀が記されるという九陰真經争奪戦の物語。
唯一その行方を知る少女を巡って、この世の武人という武人が集結し、その少女を狙う。
ここで一足先に葭蘭を保護した黄薬師は、九陰真經編でも言っていた馮衡の解毒の方法を探して、九陰真經を手に入れようとしている。葭蘭を奪われないため、襲ってくる武人を片っ端から殴り倒す黄薬師は、夜になると謎に別人格が現れ、その人格が殺戮を肩代わりしている、、、みたいだよ、、、
ただあの時点で、上巻は見付かっていなかったことを考えると、この物語の最後でも、九陰真經は誰も手に入れられなかったんだろう。
ほどなく歐陽鋒が亡くなった一報を受け、葬儀に向かった黄薬師は、さすがの嗅覚でこの嘘を見抜いて歐陽鋒を助け出す。
追加ネタバレ 第5話~第6話(最終話)。
偽物を本物だと信じた長老たちは、明くる日に洪七へ詫びをいれていた。彼らの心中を知った洪七がそれをどう思ったかのは分からないが、どんなに強大な力を持とうとその力の裏には心がある。幼い頃からの苦渋、失くしたものの数々、それらを乗り越えてここまできた洪七が、このせいで再び傷を増やしたのではないかと勝手に妄想していたら不憫で仕方なかった。
この後、洪七を辞退させるべく段智興が戦闘を仕掛けてくるが、え、そこ?岩肌だけど?でちょっと笑ってしまった。武侠とはどんな場所でも戦いを受ける達人たちの集まりなのだな、オリンピックに出場したら皆優勝するんじゃないの笑
昼の部、夜の部で分かれていた黄薬師は、その殻を己で打ち破ってようやく一つになり、失くしかけた歐陽鋒の友人は再び戻ってくる。
この華山論剣だが、思い描いていたのは、集まった五絶で天下一武道会ばりに力を競うようなものだった。それが全く違っていて面食らう。
まず、突然現れた明教教主の鐘絶聖が、武が存在するゆえに強弱が生まれ、この世には争いが絶えないという持論を展開し、その最たるものは九陰真經だと考え、自分が抹消してこの世の強弱を無くすなどと言い始める。
この世の中は、歐陽鋒と同じく最終的には腕力だと思うところは自分の中にもあるため、鐘絶聖の言うことは分からんでもない。しかし古代から続いてきた人間の性である、強い者が弱い者を脅かす性を、鐘絶聖の言うように失くすことは可能だろうか。
先従隗始とあるように、まずは自分が武を捨てなければその証明は出来ないが、今まさに彼自身も力で制圧しようとしているこの矛盾が五絶には受け入れられず、対鐘絶聖との総力戦が始まる。
まさに最終話に相応しい胸の高まりが頂点に達した戦いだったが、仁義を切り、恩を仇で返すようなことのない武侠の世界では、人間はやはり尊いものだと思えた。
この興奮を経て、それぞれの真理に行き着き結論に至る穏やかな最後は、緩急のバランスも良く清涼感が半端ない。
一番安堵したのは、兄をも失くし奪われてばかりの歐陽鋒が、甥を背負って帰途へ就く姿である。棘が抜けたように甥と交わす会話に笑顔が見られて一人歓喜していた。
なにしろ本当に面白かった。