永夜星河 Love Game in Eastern Fantasy 全32話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『永夜星河 Love Game in Eastern Fantasy』

2024年 11月〜 中国 全32話

 

出演

凌妙妙・林虞→虞书欣(虞書欣)

慕声→丁禹兮

慕瑶→祝绪丹(祝緒丹)

柳拂衣→杨仕泽(楊仕澤)

 

 

お馴染みの穿越ものだけど、めちゃくちゃ楽しい笑

 

ネタバレ 第1話~第4話。

お気に入りの小説の結末に不満を漏らしたら、謎にその小説内の悪役令嬢「林虞」内に穿越してしまったところから始まるが、虞書欣がお馴染みの役柄で既に楽しい。

この小説の主人公は、慕瑶と柳拂衣であり、穿越先の林虞は、柳拂衣を自分のものにしたくて慕瑶の足を引っ張る悪役の娘である。プロローグによれば、捉妖師の慕瑶は、大妖の怨女を滅することに尽力しており、柳拂衣とは恋仲だったが、彼が慕瑶に近付いたのは「百妖山海図」を手に入れるためだったという。

 

慕瑶には弟がおり、この慕声はとにかく姉以外の人間を誰も信じていない。姉を敬愛するあまり、近付く周りの人間を警戒して、柳拂衣にも林虞にも冷ややかな態度で接している。

穿越先は、謎の声から提示される任務を攻略せねば、生きて現実には戻れないゲーム攻略仕様となっているが、実際の小説内では、いずれ林虞は慕声と婚姻を結ぶことになっている。

初っ端から、勘が鋭く自分に疑心を向ける慕声にびくびくする林虞の芝居が実に良い。

 

林虞として生きていく小説内では、当然、父親の存在もあるわけだが、その父親が、現実世界で亡くなった凌妙妙の父親と同じ顔面の持ち主だったため、凌妙妙が飛び付いた姿には少し切ない思いをさせられた。

この父親も、いずれ慕声の手に掛けられるため、任務を攻略しながら、この父親を守るためにも尽力するのだと思われる。

 

林虞(凌妙妙)への任務が一体どれだけあるのかは分からないが、不本意でもやらねばならないこともある。

任務を遂行する上では、何度慕声に殺されてもリセットされてやり直すことが出来るが、その任務から逃避すれば、即座に命を落とす退路のない仕様となっている。良くしてくれる慕瑶を傷付ける行為は避けたい林虞だったが、怨女捜索に必要な「百妖山海図」を破壊しろという任務を泣く泣く実行せねばならないのは辛いところ。

任務とは関係のない部分では、慕瑶の危機を助けられたり、自害させた侍女を今回は救えた点は、逆に良かったんだけど。

 

最新の任務は、自分に対する好感度-200%の慕声を、好感度100%にする、という実に難易度の高そうなお題で、上に貼っているポスターのような表情を引き出すには時間を要するのだろうが、この過程が楽しそうな予感はしている、既に楽しく観ているけど笑

 

丁禹兮がカッコ良いんだよね、箸の持ち方が綺麗で驚いた。

 

つづく

 

追加ネタバレ 第5話~第8話。

引き続き-200%のところから好感度を上げる任務を実行しているが、攻略のためだからといっても、小説で慕声の背景を知る林虞は、祭りの場でも気遣って慕瑶を寂しそうな慕声の元へ送って喜ばせる。これは彼の知らないところで行われているため、利害ではなく優しさである。

 

小説では、この祭りで食糧庫に火が移り、空っぽの倉庫を見られたために父親が慕声に斬られる流れとなっている。

これを阻止するため、小説とは流れを変えて、火事も起こらないと安堵していたが、結局、倉庫に火が移ってしまう。

父親をまた失ってしまうという焦りから、がむしゃらに父を捜す林虞だが、これまでの彼女の言動がここにも影響することになる。

小説内で父親が悪官だと思わされていたのは実は誤解で、国庫の銭を奪っていたのは太妃だったようである。利用されているのが分かっていながら、断れずにいた父親は、元気で長生きしてほしいという娘の希望に沿い、今回は私財で倉庫を満杯にしていた。そのため斬られることも囚われることもなく、その後は官職を捨てて無一文の庶民になってしまった。(以前(小説内)の林虞は、父親との関係も築かず無関心だったのだと思われる。)

無一文となっても、仲睦まじく父子で過ごす姿は愛らしく、夢の話と言いながら現実世界の父親の事情を語るシーンは胸が苦しくなった。王道の穿越ラブコメのはずなのに、めちゃくちゃ泣かされるんだけど笑

 

一方の慕家は捉妖師の家系のため、江湖を巡って悪さをする妖を退治するのが生業である。ここから別の場所へ移動するという慕瑶と慕声に付いていかねば、任務攻略が果たせない林虞は、これに同行することを申し出る。

いずれ裏切ることになる柳拂衣にも、慕瑶には既に情が湧いているが、百妖山海図が燃えてしまった以上、去らねばならないと決意する。柳拂衣は師父からの命で慕瑶に近付いたため、まだそこを去るな、との新たな命で、彼も林虞と同じく旅に同行することとなる。

 

慕声は、姉を傷付けるような別の目的があるとひたすら林虞を疑い続けて、百妖山海図を燃やしたのも彼女だと気付いている。しかし慕瑶が可愛がる娘をむやみに追い出したりは出来ないため、ひとまず監視することを宣言する。

人の心は矛盾だらけで、自分では監視と言い聞かせながら、気付いたら恋になってるんですよね、、、

 

好感度-25%までになった旅先での妖との遭遇は、全く予想していない方向へ気持ちは持っていかれる。

この戦いで、捉妖師の慕声が彼自身も妖だったということが分かるが、姉には絶対に知られてはならぬ妖力を、必死に制御していた慕声は、向かってきた妖に打ちのめされる。

死にかけた慕声は、林虞にも正体が発覚されるのを嫌がり、死を選ぶが、林虞はそれを許さない。半妖だというのは小説内で既に知っていて、彼が命を落とせば任務遂行が出来ないなどの理由はあったのだろうが、それでもこのシーンは二人の絶妙な芝居のおかげで、王道の漫画のような展開も感情はうなぎのぼりである。

以前、林虞が素敵だと褒めていた髪のリボンは、妖力を制御するための物だったんだね、、、それを解いた瞬間、人から妖へ変身を遂げる慕声がカッコ良すぎた。

 

ここからひたすら胸きゅんタイムである、、、怖くないのか、なぜ助けたんだ、あの時の言葉は本当か、などのありがちな展開も謎に胸に響く。いや、これは王道ラブコメといっても油断出来ない。泣かされる→胸きゅん、これの繰り返しよ笑

 

小説の筋書きに逸れてきた旅への焦りや、任務を攻略するために好感度を上げねばならない林虞は、あの時も言葉も本心だと今は気付いていない。しかしそこに罪悪を感じている時点で既に恋なのかもしれない。

洗濯シーンからお札の貼り付け、その後、必死の形相で林虞の後を追う慕声の姿、法器の指輪、全てが胸にくるな、、、丁禹兮、台詞のない芝居が上手すぎる。

 

現在の慕声の好感度+25%なり。

 

つづく

 

追加ネタバレ 第9話~第13話。

割とサクサク上がる好感度。

互いを「妙妙」「子期」呼びに変えて、段々と距離は縮まっていく。(ということで、以下「妙妙」「子期」表記に変えます。)

 

この後、立ち寄った村で、長い間封印されていた迷途谷へ足を踏み入れることになるが、ここには閉じ込められた水妖が、入山した人間を幻想の中へ閉じ込めて気を奪っていた。

 

以前出会った、竹の妖精、翠翠は、出会った当時からこっそり妙妙に付いて来ていたが、捉妖師の慕瑶は、どんなに小さくて力の無い妖でも油断してはならぬ、という強い意思を持つため、翠翠がどんなに懇願しても旅には同行させられない。

しかし家にも戻れず、祖父を捜して外界へ出た行き場のない翠翠は、やはりこっそりと簪に変化して妙妙に付いて行く。

このおかげで、幻想に陥った4人を救うことになり、もはや仲間という立場も確立してしまったため、結果的に良かった笑

 

この山に封印されていたのは、以前、子期を襲って妖に変化させた水妖(男)の番いであり、この妖は彼女を助けるために下界で必要なものを集めていたのである。

元々、山の奥でひっそりと暮らしていた二妖は、突然、趙太妃に妖怪根絶を命じられた捉妖師に封印され、仲を引き裂かれてしまった。妖というだけで何も悪さなどしていないのだが、このせいで人間を憎むようになったようである。

趙太妃は何か訳があって、異常に妖を恐れているのか、憎んでいるのか今は謎が、以前、妙妙の父親を利用して銭を着服していたあの太妃と同じ人物だと思われる。

 

封印された山で水妖(女)と戦うこととなった子期は、助けに入った妙妙を傷付けられ、今度は自分自身で髪のリボンを外して妖力を発揮するが、正体を知られた妙妙の前では既に変身することに躊躇いはないのか、割と簡単に真の姿を晒すようになったね笑

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妖力を制御するためのリボンを元に戻すのは妙妙の役目となったようだ、、、

姉を支え、守るためだけに生きてきた子期の心に、着々と妙妙の場所が増えてきている。思えば、今回妙妙を幻想から救ったのは、嫉妬で柳拂衣のお守りを焼き捨てて自分のお守りを渡したおかげだったしね笑

 

結果的に、封印は解かれて山も崩壊せずに住民を守れたし、傷付いた番いの水妖も、生まれた水源で治癒出来ることが分かったため、今回は誰も命を落とすことなく迷途谷を後にする。

柳拂衣は謎の術で、山で起こった出来事を見てしまったため、子期が妖だということには気付いたようだが、今は口を閉ざしている。

この一件で、人間を守ろうとする水妖の姿や、妙妙や子期を助ける翠翠の姿を見せられた慕瑶は、自分がひたすら憎んできた妖は、ひょっとしたら悪さをするだけの存在のみではないのではないか、という気持ちが湧いたようである。というわけで、翠翠の同行は許されてしまった。

 

小説の筋書き通りになれば、いずれ慕瑶と柳拂衣は殺し合う運命で、子期も姉を裏切った格好となり、誰も幸せは得られない。この世界で過ごす時間は妙妙にとっても本物であり、とても小説内だからという理屈では自分を納得させられないのである。そのため筋書きに沿いながら、皆を救う方向へ努力を向けるんだろう。

ひとまず京へ向かう理由が、システムから強制的に与えられたようだから、やっと問題の太妃に対面するのだと思われる。

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かわいいです、、、

現在の子期の好感度55%なり。

 

つづく

 

追加ネタバレ 第14話~第18話。

聖京へ到着した5人は、早速、趙太妃と対面する。

太妃が捉妖師を呼び寄せたのは、甥(趙若失)に嫁ぐ予定の帝姫が妖術に惑わされているためである。

太妃はそう信じて頑なに譲らないが、実は、趙若失と帝姫の互いがこの婚姻を嫌がり、互いで騙し合っていただけだった。

この帝姫は、過去に柳拂衣に命を救われたため、当時から彼に想いを寄せていた。そして今回、上手く呼び寄せられた柳拂衣を自分の夫にしようと奮闘しているのである。慕瑶と柳拂衣は、未だ気持ちは確かめ合っていないものの、互いに心は寄せている。その微妙な時期での帝姫の登場で、二人の仲はなんとなくぎくしゃくしてしまう。

 

一方の趙若失は、妙妙に一目惚れして纏わり付き始める。これが面白くない子期は監視の目を強化しているが、妙妙に対する態度は未だ素直ではない。

慕瑶と柳拂衣の仲を心配する妙妙に付き合わされて、あちこち連れ回されている間に、失敗を恐れる前にまず扉を開かねば結果は分からない、という言葉に、己を奮い立たせた子期は、まずは妙妙に告白する決意をする。同日に、銭に物を言わせて告白にやってきた趙若失に先を越されて、言えず仕舞いとなってしまったが、ここからあらぬ方向へ話は展開する。

 

妙妙は既に子期に心を寄せているため、趙若失の告白を受け入れることはない。しかし趙若失が父から受け継いだという腕輪を妙妙の手首に付けた瞬間、謎の妖術(だと思うが)で、その心は趙若失へ向いてしまった。

いきなり趙若失へ嫁ぐという妙妙を、誰も止めることが出来ずに颯爽と連れ去られた子期はたまらない。必死で説得をするものの、その腕輪を外さなければ何を言っても無駄なんだよね、、、その後、趙若失からリボンを引っ張られて妖に変身したあとも、かつてのように髪に戻してくれる妙妙の姿はなく、這いつくばって発帯を探し当て、自分で髪に戻す子期が不憫でたまらない。やっと孤独から引っ張り上げられたのに、梯子外しかの如く遠く離れていってしまうとはね。

 

万珍堂から妖を逃がして爆発させた建物を背景に、キャッキャ手を繋いで疾走する二人の愛らしさににんまりしていたのが遠い昔のようだ、、、(ここめちゃくちゃ良かった。)

それでも趙若失に「妙妙」呼びをさせないのは、無意識下で特別だという思いがおそらくあるんだろう。

 

ここまでを見ると太妃は既に怪しい。その弟である趙若失の父親は、先の事件での封印された麒麟山の反対側にいた伴侶らしき妖の片方である。

(ここから妄想です。)ということは、趙若失の父親が子期の父親という可能性が出て来たな。子期は半妖であるし、回想での母親との姿は、父親が出て行ってからの記憶なんだろう。

太妃が麒麟山にいる妖の一掃を命じたのも、もしかしたら弟の想い人である妖(子期の母)もろとも殲滅するためだったのではないか。趙若失の記憶では、父親は記憶を失くしていて、あの腕輪をなぜ持っているのかも覚えていないが、この記憶を消したのも太妃なのではないのか。(妄想終わります。)

 

興善殿の大炎には太妃が絡んでいて、その背面には太妃を利用して目的を果たそうとしている大妖の存在があった。帝姫の侍女が、妹を火事で失くしたことで太妃を恨んで、趙若失の挙式の日に何かを計画しているのは、仇討ちとは別に、この大妖の目的を達成させるためだと思われる。その大妖とは結局、怨女な気もするが。

しかもこの大炎の件では、慕瑶の父親も捉妖師として出向いて封印を果たしている。段々と皆の関係が一点に集まってきたように思えるが、子期の出自や麒麟山、趙若失の父親との関連はまだ見えない。まさか弟の記憶を消すためだけの大妖との取引ではないよね?

 

5人が聖京へ入った途端、かつての天級捉妖師、慕青時の持ち物であった上弦月が反応しているのを見ると、5人の内の誰かがその持ち主なのだと思われる。虞書欣の配役に既に名前が載っているため、もちろん妙妙なんだけど笑

 

早く怪しげな腕輪に気付いて子期の元へ戻ってくれないかな、、、

 

つづく

 

追加ネタバレ 第19話~第20話。

郭修の協力の元、慕瑶の父親が興善殿に封印したのは怨女だということに気付いた慕瑶は、自分の命もろとも怨女を消滅させることを決意する。

慕家の名を背負って、この世から悪妖の頂点である怨女を消滅させるために気丈に尽力してきた慕瑶は、命を落としてもこれが自分の使命だという責任は決して放棄しない。

その姿を見てきた柳拂衣の彼女への愛は、小説と違って思いのほか深かった。妙妙という想定外の存在のせいもあるが、同じ自分の正体を打ち明ける場面でも、小説とは全く異なっている。

しかし渾身の柳拂衣の告白も、これから命を落とす戦いに向かう慕瑶には応えることは出来ず、冷たく突き放すしかなかったようである。

 

妙妙は嫁ぎ先へ、子期は慕瑶からの用事で遠方へ、そして柳拂衣は突き放されて、「竹林四侠」と名付けた5人は各々の道へ進むこととなり、翠翠と同じ心境の侘しい気持ちで一杯となる。

元々二人だったのが、また二人に戻っただけ、という子期の言葉も哀しくて妙に刺さった。

 

同じ頃、いよいよ妙妙と趙若失の挙式の日が迫るが、乳母から指摘された腕輪で、その妖力を知ることとなった趙若失が、妙妙の腕から外すシーンは熱い。

いや絶対やってくれると思っていた。腕輪の力で妙妙を自分のものにすることは出来たはずだが、彼の良心がそれを許さなかったようである。帝姫もきっぱり振られたことだし、やっぱり決まっていた通り趙若失と帝姫が一緒になった方が幸せを築けそうだよ。

 

妖力に惑わされていた妙妙は我に返り、子期の元へと全力で向かうが、残っていたのは、子期が告白を決意したあの日、妙妙のためにせっせと飾った部屋のみ。

妙妙が父親に宛てた手紙に、謎に子期の名を刻んでいたのは、以前、妙妙が言っていたように、妖術でも抑えられない未知の力が働いていたのだと思われる。


うーん、久しく見ない最強ラブコメ、、、山を持ってくるタイミングのシナリオと演者がいいんだと思う。

既にゲーム攻略のことなど忘れていたが、現在の好感度は99%である。100%になると別の任務があるのか、現実へ戻れるのかは謎だが、ここでまた一山ありそう。

 

いよいよ怨女との決着を付ける戦いとなるが、慕瑶の側に「竹林四侠」の皆が戻ってくる。これも定番中の定番なのに、慕瑶が「竹林四侠」のバッジを胸に付けるシーンは胸が震えたな、、、

 

つづく

 

追加ネタバレ 第21話~第25話。

封印されていたのは怨女だと思っていたが、実はよく分からん下級の妖が、太妃を利用し、大勢の命を犠牲にして妖力を溜めていた。

ここでの4人の芝居は、かつての太妃の野望のための悪巧みで幼い命を犠牲にしたこと、弟の想い人であった妖との仲を引き離して、その記憶を消したことを太妃に認めさせる格好となる。

子期の父親である軽歡は、何か大事なことを忘れている気がすると言いながらこの世を去ってしまい、不憫でしかなかった。定番の「都是為了你好」をもちろん使っているが、全ては自分のために弟の想いも犠牲にしたのである。帝姫の代わりに神女に仕立て上げた、侍女の妹の犠牲への言い訳なんて、「お金払ったもん!何が悪いの!?」だからね。自覚がない分恐ろしく日和った女だった。

 

太妃の件は終わり、次は封印された下級の妖を倒すこととなるが、長い時間溜めた妖丹は力を増しており、この封印を担った慕瑶の父親の力も合わせて利用されることとなり、3人の力では太刀打ち出来ない状態となる。

興善殿の郭修以下の直前の会話で、協力せずに放棄するのかとハラハラしていたが、ちゃんと来てくれた笑 普段は適当な郭修も、いざという時には実に頼りになる男である。

このタイミングで、再度、系統の部屋へ導かれた妙妙は、神力を得ることで代償も払わねばならない選択を迫られるが、皆を救うことで頭が一杯の妙妙はおそらくそんなことを聞いている暇はなかったのだと思う。

 

妙妙が得た最後の一手の神力で無事平和の戻った街だったが、神力を得た代償に、妙妙は元の世界の記憶を失くしてしまった。しかしこのことは彼女一人のみ知ることだから、妙妙が記憶を失くしたとなると、元の世界のことは誰も知らないものとなる。そのままこの世界で生きられるのならそれでもいい気もするが、シナリオ上そうはいかないよね。

 

この神力は、かつての慕青時が持っていた力であり、もしや上弦月も抜けるのではないかと試してみるものの、妙妙には抜けず、代わりに子期が上弦月を抜いてしまった。妙妙が抜けないのなら子期しかいないが、一旦、システムから渡された神力は、実は子期のものなのかもしれない。となると、これを子期に戻せば記憶が戻るのだろうか。

 

興善殿の妖は倒したものの、背面にどうしても怨女の存在を感じる慕瑶は、太妃からも、父親の謎の行動についての事実を知らされて混乱する。

ひとまず師父が何か知っている可能性があると考えた柳拂衣は、5人で師父の待つ了然谷へ向かうこととなる。

柳拂衣の隠していた事情は、おそらく全て慕瑶へ告白したようだから、今となっては秘密はなくなってしまった。小説とは明らかに違っているけど大丈夫なんだろうか笑

 

了然谷へ向かう子期に、同じ父親から産まれた兄弟という思いで別れを惜しむ趙若失は、実に正直で愛すべき男だった。この男なら、これからの人生も楽しく過ごしていけるはずだ。

 

柳拂衣の師父は、もはや見た目だけでも素敵さが隠せていないが、問心の陣で、子期の正体を見破ったあとも更に素敵なんだよね笑

これまで言えずにいた自分の正体が、遂に慕瑶に知られてしまったが、師父が敢えて子期に剣を向けたのは、慕瑶が必ず助けると分かっていたからだろう。

↑剣を向けているのではない、問心が子期へと投げた剣を阻止している。

 

二人きりで生きてきた慕瑶と子期の絆は、半妖だからという理由では簡単に壊れたりはしない。

「何も知らなくて辛い思いをさせたね。」という慕瑶の言葉で、知られてはならぬ重荷をやっと降ろした子期が、流した涙で安堵したのが分かるシーンは実に美しかった。

この様にして、姉弟間のしがらみも解いた師父はやはり素敵なのである。

 

この師父は、慕瑶の父親のかつて友人であり、慕瑶が持つ法器も彼がプレゼントしたものだったようだ。何か訳があって、この地に隠遁していたようだが、今はまだ何をしようとしているのか分からない。最終的には皆と共に怨女を倒してこの世界を守るのだろうが、この怨女の正体がずっと気になってるんだけど、、、まさか子期の母親ではないよね、、、

ひとまず序盤に燃えてしまった「百妖山海図」の修復のため、彩南郡へ向かうことにした慕瑶に柳拂衣も同行するが、彩南郡は彼の故郷であり、苦い思い出が山ほどありそうだな。

その間、忘れている幼い頃の記憶を取り戻す気持ちになった子期は、妙妙と共に麒麟山を目指して旅に出る。かつての記憶を取り戻し、己自身を受け入れることが出来れば、おそらく神力も取り戻すことが出来るようである。

 

この地で、翠翠も祖父と再会することとなるが、初恋の石楠花のことは覚えていても、翠翠のことは覚えていない耄碌っぷり笑

 

つづく

 

追加ネタバレ 第26話~第27話。

彩南郡に戻る道すがら、柳拂衣の過去が語られる。

父も母も失くして孤児だった柳拂衣は、親切な彩南郡の村人たちに助けられて穏やかに暮らしていた。その頃、山で知り合った妖と仲良くなり親交を深めていたが、ある時突然、村人たちが全員殺戮されてしまった。これを行ったのは仲良くしていた妖だったため、柳拂衣は怒りに任せてその妖を殺めたという。

このことは、今に至るまで心のしこりとして残っているため、育った土地に戻るのにもどこか悲し気だったのである。

 

村へ着いたら不思議なことに、かつて屍となった人々が全員生きていたのである。捉妖師としての見解から、これは妖の仕業ではないのかと疑うが、村人を救ったのは害もなさそうな狐族の娘だった。この村人たちの復活に使ったのが、彩南郡を訪ねる理由となった寒玉蚕だったという。寒玉蚕が何なのかさっぱり分からんが、百妖山海図も修復出来る上に、人間も復活させられる謎のアイテムである。

 

村人たちと過ごす柳拂衣は余程嬉しかったのか、これまでに見たことのない笑顔を浮かべていたが、27話最後に、やはり人間ではなくなっている村人達の描写があったため、ここでもひと騒動起きそうである。

 

一方の妙妙と子期は、立ち寄った街で物語を披露する霽月郎君と対面することになるが、この男はずっと子期が訪ねてくることを待っていたようである。

霽月郎君が披露していた物語は、娘達の涙に刻まれた実際の記憶であり、子期が訪ねて来た時に見せるべき物語をずっと保管していた。それが母親と趙軽歡との記憶である。この続きは榴娘に会いに行けば分かると、霽月郎君に言われるがまま、二人は彼女の元へ足を進める。

霽月郎君との別れ際に、「浮生一夢、你與他二人只能有一人醒來」という言葉を残されるが、これはおそらくゲーム運営側からのメッセージなのだと思われる。

あなたと彼のうち、どちらか一人だけ、ってどういう意味なんだろうか。この目醒めるの意味は、元の世界のことなのか、この世界での目醒め(神力などの)なのか分からないな。そもそも今の妙妙には元の世界の記憶はないし、いつ戻るのかも定かではない。もしかしたら子期も妙妙と同じく元の世界から来ているのかもしれないし。

 

榴娘の元へ辿り着くと、上弦月が唸り始めたため、この娘も怪しさが半端ない。母親と二人で姉妹のように暮らしていたという榴娘は、子期へと母の記憶を見せることとなるが、結局、子期を捕らえて母親から譲り受けた妖丹を奪うことが目的だったようである。

この過去の記憶で、慕家や師父とも繋がったし、記憶の中で母親が歌っていたのは、慕瑶が度々耳にしていた怨女と思われる幻聴と同じだったよね、、、やはり子期の母親が怨女なんだろうか。母親が生きているかの問いにも榴娘はなかなか答えてくれなかったしな。

 

つづく

 

追加ネタバレ 第28話~第30話。

榴娘のドデカ愛が炸裂する。

子期に引き継がれた慕容兒の妖丹を奪って、出会った頃の彼女を取り戻そうとする榴娘は、その思いだけに囚われ、何年にも渡って子期を封印する計画を練っていたようである。

その頃妙妙は、記憶という名の涙の雫を奪われ、子期のことも段々忘れゆく術に掛けられていた。その前の元世界の記憶も失くしているのに、ここで重ねて記憶を奪われるとは、、、

しかし村の娘たちも毒娘ではなく、記憶を返して欲しいという妙妙に意地悪することなく返してくれる優しい娘たちだった。狂っているのは榴娘のみだったようだ。

 

間一髪で榴娘の前に立ちはだかった妙妙は、雁字搦めされた子期を救おうと必死になるが、結局、彼を救ったのは、慕容兒の残した榴娘への言葉だった。

おそらく二人は別れの言葉もなく離れてしまったために、榴娘にとっては遺憾の残る最後だったんだろう。子期の存在のせいで自分が無碍にされたわけではないと分かった途端、榴娘の憑き物は落ち、子期の犠牲も必要なくなったようである。このおかげで両親の過去も明らかとなり、自分の記憶も取り戻した子期は、遂に上弦月と一体となる。

神力が子期に戻るのだと思っていたが、妙妙の持つ神力はまた別のようだな、、、

 

慕瑶と柳拂衣の方も、割と複雑な事情が交じり合って若干ホラーである。

かつて村人を殺戮した幼妖は、自分から離れていった柳拂衣を取り戻すため村人を生き返らせ、これに協力したのが李准を救う代わりに幼妖に力を貸した十娘(狐妖)だったようである。

この幼妖は、4回繭から脱皮をすれば完全な大妖となり、そうなってしまうと取り返しは付かない。既に空の繭が3つあったのを見て恐怖しかなかったが、李准と慕瑶の説得によって4回目を阻止した十娘は、大妖となる寸前で幼妖を消滅させることに成功する。これを仕留めたのは駆け付けた師父だったが、柳拂衣は既に幼妖の犠牲となり屍になっていた、、、

自分の愚行によって他人の命を犠牲にした十娘は、過去を悔やみ、その償いに自分の妖丹を使って柳拂衣を蘇らせるが、その命は塵となってしまった。

悲しんでいた李准に師父が渡した巻物で、あの狐がいずれ人型になるという希望が見えたのが良かった。師父かっこよ。

 

寒玉蚕糸で無事山海図も修復出来たが、この後、とんでもない方向へ話が進んでしまったのに驚いた。

長年、慕瑶が捜し続けていた怨女は、なんと慕瑶の中にいたのである。

かつて怨女を捕えて屋敷に封印していた慕瑶の父親は、私欲のために麒麟山の慕容兒を捕え、琉璃心を奪って怨女に変貌させたのである。何も知らずにその封印から怨女を解いたのが子期で、外に出た怨女が慕瑶の身体を奪って慕家の殺戮となったわけである。これまで慕瑶が度々聞いていた歌は、自分の中にいる怨女の声だったのか、、、

子期の妖力に弾かれて慕瑶の中に封印された怨女は、今まで外には出てきていないため、慕瑶本人も気付かぬところだったようである。

師父は私欲に走った慕瑶の父親と決別し、怨女の制御が難しくなった旨の手紙も開けずに無視し続けた末の、あの惨事を悔やんでいた。その時から、怨女の存在が慕瑶の中にあることを知っていたため、柳拂衣を彼女の元へ送ったのである。

 

少し前に、怨女となった母親から受け継いだ妖丹と琉璃心を彼女に返して、かつての姿に戻す試みを師父に打診した子期は、己の今後には構わないようだね、それを返せばおそらく命は尽きると思うんだけど、、、

そんな話もなかったことにされ、師父は怨女を根絶すべく大陣を敷き、自分もろとも消滅する決心をした慕瑶を妖塔へ送り出してしまった。

慕瑶本人は、怨女を消滅させると誓った日から既に命を落とす覚悟は出来ている。そのため誰にも言わず潔くこの世界を後にする。妖王の怨女を消滅させれば、この世の妖も全て犠牲になるというが、そうなると子期も翠翠も消えてしまうでは、、、


自分の命はともかく、慕瑶を犠牲に出来ぬ残りの竹林四侠の仲間たちは黙ってはいない。無理矢理、妖塔へ突入した4人は、地獄への階段(九階分)を下っていくのである、、、

皆が愛する者のためにその身を犠牲にして、最終的にはどうなるのか分からない。しかもゲーム攻略もほぼ忘れ去られたまま、いよいよ残り2話となってしまった。

 

つづく

 

追加ネタバレ 第31話~第32話(最終話)。

終わってみれば、ほんのりとした違和感は色んなところにあった。残り2話で、全ての妄想を覆されるほど思いもよらぬ展開に、ひっくり返りそうになった、、、現実での過去回想の序章が始まった瞬間、胸がきゅっとなる。

 

前話で地獄への階段を下った4人が、最終階では2人となって怨女へ挑む戦いが始まる。一度目は失敗して子期が消滅する結果となるが、以前、記憶と交換で手に入れた神力で救うことが出来る、とまたも記憶の代償を提示された妙妙は、この世界を救うため迷いもなくそれを受け入れる。二度目の戦いは、怨女となった慕容兒を元の姿に戻したために、妖王は消滅してこの世界を救うことが出来たかに見えた。

しかしこれは小説である。

どうあがいても変えられない小説の結末は、この世界が灰になって全てが消滅する以外にはなかったのである。結末を変えるには、現実の原作者(浮舟)の心を変えなければならないと気付いた妙妙は、その心を捜すことを試みることになるんだけど、、、

 

この辺りから、子期と浮舟の記憶が交差し始め、え、もしや、、、と思い始める。

思い返せば、序盤に、妙妙がことさら浮舟の名を連発していることにちょっとした違和感はあった。その後の、この世界にはそぐわぬうさぎりんごにも、見たこともない雪を子期がいとも簡単に再現したことも、そして「どちらか一人だけ」という言葉にも、様々な場所でヒントはあったが、この展開には全く結びつくこともなく、作り手の狙い通りだと思われる衝撃を与えられる笑

 

一度目は、難病で絶望した日々に光を与えてくれた妙妙に救われて小説を書き始め、二度目は、妙妙という光が消えてしまった絶望感で小説の結末を破滅で終わらせた、その小説の中に、再び妙妙という光が現れて浮舟の心を救ったのである。

この運命というほかない最後にはちょっと震えたな、、、何がどうなって浮舟の心に届いたのかは謎だが、以前、妙妙も言っていた未知の力がおそらく働いて、浮舟の手術中の夢と妙妙の夢(穿越)が交差したんだろう。

最後に世界が終わる合図として鳴っていたのは、手術中の生体モニター音で、落ちかけた子期が浮上したのは、生死を彷徨いながら夢の中でかつての光を見つけ、生に向かった描写だったんだね。


小説の内容を鑑みると、浮舟にとって妙妙は唯一無二の英雄(慕青時)であり、怨女は己の心を投影したもので、それに抗う慕瑶や子期もまた、自分だったのかもしれない。

 

主演二人がとんでもなく良かった。愛は物理さえも越えるのだな、、、