錦心似玉 The Sword and the Brocade | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『錦心似玉  The Sword and the Brocade』

2021年 中国 全45話

 

出演

徐令宜(鍾漢良ウォレス・チェン)

羅十一娘(譚松韻タン・ソンユン)

 

久々に中国ドラマを観た。

中国ドラマは、貶め合いの連続で気が滅入るものが多く、それでいて長編なのが私にとっては難点であったが、最近、インスタで度々おすすめに出てくる譚松韻を見ているうちに、観てみようか、、、という気持ちになった。

 

まず、キャスティングが異常に適していた。
鍾漢良は、以前何かのドラマで観た時と全く変わっていないのが怖い、、、46歳というのを知り、到底そんなに年を取ってるとは思えない風貌に戦慄を覚える。(化粧のせいかも?)

譚松韻は別段美しすぎるわけでもないのに、劇中の、夫に気付いて毎回嬉しそうに「侯爺」ニコッとする様がかわいすぎる、、、譚松韻にはヤられたという感想しかない。

 


ネタバレ

 

羅家側室の子として生まれた十一娘、平民で生まれたことにより、将来は誰にも頼らず自立して生きていけるよう精進の日々を送っていた。

征西大将軍、徐令宜に嫁いでいた羅家本妻の娘、元娘(十一娘の腹違いの姉)が亡くなり、姉妹の中から後妻として偶然の様に選ばれた十一娘は、他に思惑もあった事もあり、戸惑いながらも姉の遺言通りに徐令宜へと嫁ぐことになる。


元々誰かに嫁ぐつもりもなく、ほぼ面識のない大将軍に嫁ぐことは、身分の違いなどを考えても当然気の進まない結婚だったが、そこからじわじわと愛情を深めてゆくいわゆる「先婚後愛」が主体となるドラマである。

 

要所に胸を膨らませるポイントを置きながら、お互いへの気持ちが変わってゆく過程がゆっくり丁寧に描かれており、観てるこちらも置き去りにされる事なくその世界に引き込まれてしまった。(のではないかな笑)


第30話前後で、十一娘が自分に疑いを持っている事を知った徐令宜は、傷心からメンヘラ期へ突入。

十一娘を愛し始めてから、一度も疑うことのなかった自分と妻との温度差を感じ、何を言われても穿った方向へ考えずにはいられなくなってしまう。

愛しているのに、どう接したらいいのか分からない、この間の鍾漢良の演技はお見事。普段の締まりのない様(失礼w)とは全く違う表情に、さすがは役者だなと思わされる。この辺りは、鍾漢良の表情だけで泣けてくる事もしばしば。

また、疑い傷付けてしまった事に胸を痛め、何度も説明をしようとする十一娘も、都度冷たく接する夫をどうする事も出来ない。


という風に、このドラマにおける山場までの時間が、長くも感じず短くもない良い配分になっていて、視聴者を引き込むのが上手かったように思う。

その間、嫉妬や私利私欲の為の貶め合いは当然のことながらあるけど、余分な話は省きテーマに沿って簡潔に作られていて分かりやすい。


この過程を経て、愛が深まりすぎた二人が終盤の牢屋でやりとりする場面は、役者の演技力が絶妙なのもあり本当に苦しくなる。

夫を庇い死を覚悟した十一娘の台詞と、妻を失くしてしまうかもと焦燥する徐令宜の台詞の対比がまた妄想を巡らされて苦しい。


 結局、処刑はされないのでご安心を。

 



「走吧 不要再來了

若有來世 我們再做夫妻」

この台詞の後に、首をクンっと上げる譚松韻の顔面に悶絶必至。