博士と彼女のセオリー(The Theory of Everything) | 一言難盡

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Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.


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『博士と彼女のセオリー(The Theory of Everything)』
2014年  イギリス
2015年3月13日~日本公開中

原作「Travelling to Infinity my life with Stephen」ジェーン・ホーキング

監督  ジェームズ・マーシュ

出演
スティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)
ジェーン・ホーキング(フェリシティ・ジョーンズ)
ジョナサン・ジョーンズ(チャーリー・コックス)
エレイン・マッソン(マキシン・ピーク)


2007年に発売された、ジェーン・ホーキングの著作を元に作られた実話の映画化。
物理学者ホーキング博士との出会い、別れ、現在に至るまでを描いている。

この原作は、あいにく英文のものしかなく、英文で読むのもイマイチ怠いし、きちんと理解できないところもあるだろうから、是非日本語に翻訳された物を出版してほしいものである。←それとも私が知らないだけですか…?日本語版。

事前に、この二人が離婚していたのを知っていたので、「この夫婦の永遠に続く愛!」みたいな宣伝の仕方がなんだかなぁと思い、二の足を踏んでいたのだが…結局、観に行ってしまった。

ネタバレ


ホーキング博士が、筋萎縮性側索硬化症(ALS←少し前にバケツチャレンジで著名人が氷水を被って話題になってた元の病気ですね。)に侵され、余命2年と宣告されたにも関わらず、彼の妻となったジェーンとの30年間が映し出される。

結婚した当初のジェーンの幸せな表情から、だんだん笑顔が消え、孤独と疲れを隠すことが出来なくなっていく心身の変化をフェリシティ・ジョーンズが見事に演じていらっしゃる。
この現実を実際に過ごしていたジェーンを、これが自分だったらと想像すると、おおよそ真似できない忍耐力である。

同じように、身体が脳についていかない歯痒さに苦しんでいるのが表情から分かる程、磨きのかかった演技をされていたホーキング役のエディ・レッドメイン。役作りが完璧だったのか、若い頃のご本人によく似ている。

この作品の感想を、「エディは、僕の役を上手に演じている。この映画では、エディは、まさに僕になっている。フェリシティは、とてもかわいらしいジェーンを演じている。
この映画は、障害があるにも関わらず、子供三人を育てるという、僕達二人の苦悩を忠実に描いているよ。」と、ホーキングご本人が述べている。

この映画には描かれていないが、博士は、ジェーンと別れた後に、エレインという例の看護師と再婚するわけだが、このエレインが、外部との接触を全くさせず、博士は家族とも一切会わせてもらえない生活になる。
噂では、エレインに身体的な虐待を受けていたと言われているが、博士は、それを証言する事を拒否したという。
2006年にエレインと離婚後、ジェーンと博士は交流を再開している。

ジェーンは現在、別の男と一緒になってはいるが、博士との愛は、ある意味永遠なんだろうなと、宣伝もあながち間違いではないと気付いた。


「宇宙の始まりの証明」を、今でも研究されているホーキング博士。
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本棚から、久しぶりに引っ張り出してきたこの本は、1990年に来日した際の、講演の内容をまとめた本だそうだが、この時に話されていたご自身の半生が、忠実に映画に反映されている。

もっとも、あちこちの講演で同じような話をされているだろうから、有名なエピソードもたくさんあるんでしょうが。
研究に関する部分は、やはり凡人には難しい内容で、超凡人の私がなぜこの本を持ってるのがよく分かりません。
ついでに、「ホーキング宇宙を語る」も本棚で見つけましたが、理解出来ないのに結構興味あったんだな…。

劇中最後の、時間を巻き戻して、始まりに戻るあの演出は、何にでも始まりがある、だから、宇宙にも始まりがあるという博士の研究の肯定なのかもしれません。

However bad life may seem, while there is life there is hope
(最悪な人生に見えるかもしれないが、生きている限り希望はある。)

これが、彼の素敵すぎるところですね。