会話すること
それは、
綿矢りさ『蹴りたい背中』を読んでのこと。
内容は、主人公である女子高生ハツが、
学校生活の中で、孤独であり、それが嫌で
なく、でも寂しい気持ちとの葛藤を書いた
ストーリー。
あまりに良かったので、おきにな部分を
書き出してみた。
以下、本文抜粋
『仲間という言葉はわさびみたいに鼻に
ツンときた。
〔・・・〕
「私は中学でもうこりごり。仲間とかは。」
「極端すぎるんだよ、ハツは。グループと深く
関わらなくても、とりあえず一緒にいればいい
じゃない。」
「それすら、できないんだよね。中学での我慢が、
たまりにたまって一気に爆発した結果かな。」
「我慢、って言っちゃうんだ、私らの時間を。」
〔・・・〕
話しのネタのために毎日を生きているみたいだった。
とにかく、“し~ん”が怖くて、ボートに浸水して
くる冷たい沈黙の水を、つまらない日常の報告で
埋めるのに死に物狂いだった。
指のここ怪我した、昨日見たテレビおもしろかった、
朝に金魚が死んだ。
一日あったことを全部話しても足りず、沈黙の水は
またじわじわと染みてくる。
「ハツはいつも一気にしゃべるでしょ、それを
聞いてる人間が聞き役に回ることしかできない
ような、自分の話を。そしたら聞いてる方は
相槌(あいづち)しか打てないでしょ。一方的
にしゃべるのをやめて、会話をしたら、沈黙
なんてこないよ。もしきてもそれは自然な沈黙
だから、全然焦らないし。」』(※1)
「・・・」
この本を読んで、
作家の洞察力の鋭さに、吸い込まれた。
いや~、すごい!
そうよね、
よく人の話を聞かないって言われる人は
この強迫観念にも似たような感覚があって、
無理矢理しゃべり続けちゃったりするんだよね。
え?
お前は、本当に人の話しを聞いていない?
( ̄Д ̄;) ガーン
・・・ソウダッタノカ・・・
でも、ホント
随所に、“どきっ”とさせる言い回し方は、
メッチャ勉強になったわ!
そりゃ、若くして賞も獲るわな!
納得、納得!
(※1引用:綿矢りさ『蹴りたい背中』河出書房新社2003)