夢を語るカメレオン、旅に出た

彼にはマイカーもジェット機もない

しかしヨットは持っていた

小さくて安定感抜群のマストヨット

ある日、あてもなく大海原に旅に出た

一体なぜ目的も賞金もない、ただの危険を冒すのか

一日中じっと獲物を待ち、その長く素早い舌で虫を食べて過ごす日々に退屈さに耐えかねたのかもしれない

あるいは、色々と悩んだ結果出た答なのかもしれない

またあるいは、旅に確かな動機など必要ない、と声高らかに宣言したかもしれない

いづれにせよ、もう彼は彼なりに前に進もうとしているのだ

その頃、世界のあちこちでは融通の効かない難しい事情でごった返し、光を失っていた


夢を語るカメレオン、旅に出た

本当のところは

誰も知らない
人は瞬間、旅をしながら生きている

アルケミスト

星を見上げ

大きく息を吸い込む

目を瞑り

風は肌に心地よい

ここは砂丘

星だけが今日も道を明るく照らしている