最近またミッションオイルの交換依頼が多いです。
やっぱりみんな色々お困りなようで、それもそのはず〜
車種によって違うのはもちろん、用途や好みなんかでも全然変わってきます。
また、最近の車種は低燃費追求の為にミッションオイルまでもが低粘度の方向へ進んでいます。
コレはミッションオイルだけでなく、ATF(CVTF)にも共通ですね。
エンジンオイルもミッションオイルもATFも…
課題は「抵抗」です。この抵抗が減るとエネルギー損失が減り、燃費が良くなると言うわけです。
エネルギー損失が減るとパワーアップするのでは??
燃費が良くなって、パワーもアップする❗️
はい… これもある側面から言えば「正解」です。
自分なりの理論を構築する場合は、「一つの正解で満足するな❗️」です。
また、この「油脂類の低粘度化による低抵抗化」と言うのも、ある側面から言えば「正解」です。
別の側面から低抵抗を実現させるとすれば、それがオイルの性能=素材や品質と言うわけですね。
言い換えると、エネルギー損失を減らす方法は2種類あって、
①低粘度化
②高効率化(潤滑力)
です。 それぞれにデメリットもあり、
①耐熱性や耐久性が犠牲になる。
②コスト高&正しい知識を持ち合わせた人が少ない。
※故にオイル談話は宗教みたいな感じになっちゃう(笑)
時々、「純正なら安全」と言う事を仰る方がおられますが、私から見れば確実に「純正の方が攻めた設定」になっています。
0w-8のエンジンオイル
75シングルのミッションオイル
40度動粘度25cSt以下のATF ※フロントのトランスアクスルもこれで潤滑
どうですか?? 正に限界ギリギリです。
今日のお題であるミッションオイルですが、純正状態で粘度が低い順に
75シングル(なぜか75wと表記される)
75w-80
75w-85
75w-90
このような感じになります。
わかりにくいので同程度のエンジンオイルSAE粘度40度動粘度を重ね合わせると
75シングル→0W-20
75W-80 →5W-30
75W-85 →10W-40
75W-90 →10w-50
こんな感じになります。うん…
こうやって比べると全然違うでしょ???
純正オイルが75W-80の場合で考えてみましょう。
ブログ前半で記述した(逆説的に)通り、選択肢は3つ
①純正を使う肌 デメリットは耐久性が劣る事
②粘度を上げる デメリットは相性が顕著で気温に敏感
③素材を変える デメリットはシフトフィールが落ちる事
で❗️ 純正オイルが75W-80の場合、あんまり深く考えすに広く出回ってる75W-90とかを使っちゃいますよね??
でも上の表を見てください。5w-30からいきなり10W-50にオイルの粘度を変更するようなもんです。明らかに「重そう」ですよね???
私が伝えたいのは「この感覚」です。
じゃあ素材を変えて性能アップ…
もちろん可能です。しかしシフトフィールが良く、物理的な保護力が高いのは鉱物油なんですよ。耐熱性や潤滑力の高い素材に変更すると言うのは、少なからずシフトフィールが犠牲になると思っておいてください。
そこで登場するのが、基本能力が合成油並みの鉱物油です。それがオメガやオベロン(モティーズ)ってわけです。プロがなぜわざわざ「高価な鉱物油」を使うのか…
ここまで来ると予算が跳ね上がってしまいます。
そうそう❗️ 余談ですが峠やジムカーナで走るなら、シェルのゲルコパワーギヤがオススメです。
ペール缶しかありませんが、通販で1000円/L以下で買えますし、そこら辺の有名ブランドも真っ青な高性能です。
使用する時は優しく暖めてあげてね…
これを説明し始めるとお客さんは大抵「任せる」と言って逃げてしまうんですがなぜでしょうね
色々色々考えた挙句… 結局は交換してみんとわからんわ❗️って言うのも私のツボなんですよ(笑) 頭の中で常に理論をこねくり回しているのが好きなんです。
え? ツボじゃなくて「どツボ」じゃないかって?? 何うまいこと言ってんですか
ちなみに、L900sに投入したのは75W-90のGL-4です。極寒でも1発目が渋いだけで、ダブルクラッチで即解決できるレベルです。
今悩んでいるのがスイスポ…
日産純正の75W-85(GL-4)くらいがちょうど良いかもしれませんねぇ
これにGRPを少量入れておけば、まぁまぁ守備範囲の広い高性能が味わえると思います。
※この組み合わせはホントに安くて高性能
さて、今日も頭使って仕事しようぜ❗️