覚えてる人は居ないと思いますが、ブレーキキャリパーのスライドピンのグリースを色々と試して実験しておりました。
やっぱり疑問があったら自分んで試してみないとね❗️
その結果、初めの選択肢に戻った(一周回って戻ってきたってヤツ)としても良いんですよ(笑)
まぁ 普通はラバーグリースやブレーキグリースと呼ばれるものを使うのが一般的で、ちょっと高価なシリコーングリースを使ったりもします。
これを見てもわかる通り、必要な性能は
①対ゴム安全性
②耐水性
③耐熱性/耐熱劣化性
がメインで、潤滑性や極圧性は低い部類のものが使用されます。
そこで、「ゴムに使用できる」と記載のあるグリースで潤滑性や極圧性に特化したグリースをスライドピンに使用するとどうなるのか????
って事で実験をスタートさせたわけです。
試したのは…
①GRP Super Thixo Grease(以下チキソ)
②OMEGA 85番 (以下85番)
です。どっちもレース界の変態集団たちには知れ渡ったグリースです。
いきなり結果報告(笑)
①チキソは… ボツ❗️
期待していたのですが… 極圧性、潤滑性、耐熱性、耐水性など諸々は文句のつけようが無い素晴らしい結果でした。
しかし… ゴムへの膨潤性が思ったより高い…
スライドピンには、クリアランス調整のためにスライドピンにゴムの筒が取り付けられているものがあります。そのゴムが10%ほど太ってしまっていました。
おしい❗️ しかしこれはボツです…
スライドピンのブーツもゴムですし、ブーツが破損して水が侵入したらそれこそ台無しです。本品説明に「膨潤性は鉱油レベル」と書いてあったので、そもそもブレーキ関係のゴム部品は耐油性が低いのかもしれません。
ドライブシャフトにチキソを使用しても影響はありません。ドラシャブーツはグリース(基油は鉱油)の使用が前提ですからね。なるほど… これは良いデータだ。
②85番は… ボツ❗️
あまり期待していなかったのですが、さすがはOMEGA❗️
ゴムへの影響も全くありませんし、各種の性能も抜群で1年経っても劣化は確認できません。
じゃあなぜボツなんだ???
それは… 低温での流動性がめちゃくちゃ悪いんです。冬の寒い時は、溶けかけのバニラアイスのような感じ。本品の説明には「基本的にレース用」とだけ書いてありました。細く説明はありませんでしたが、なるほど。こう言う理由だったのですね。
※85番は街乗りでドライブシャフトに使用しても問題ありませんが、寒冷地など極寒になる地域は要注意です。
85番に関しては、ちょう度1番があればキャリパーに使用できるかもしれません。
流出の可能性が心配されますが、2番(今回試したちょう度)を見る限りはまだまだ余裕がありそうです。
残念ながら、両方ともボツという結果になってしまいましたが、個人的には良い経験則を手に入れることができたと考えています。
次はSuperLubeを使用してみようと思います。個人的にPTFEをエンジンオイルに混ぜるのは反対派なのですが、チェーンに使用して寿命が伸びる事は実験済みなので、スライドピンへの使用を目論みているってわけです。
ちなみに、通常使用はワコーズのスーパーシリコーングリースを使用しています。
スライドピンに関しては、グリースアップより掃除の方が重要で、奥に古いグリースが残りがちです。私はこの残尿感が大キライなので、細く切った靴下を割り箸を使ってグリグリ掃除しています。昔流行った「松居棒」ですね。
知らない??? 現在では開発者ご乱心ですが便利です。