ジャトコのCVTフルード | ark-japanの乗り物ブログ

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Yahoo!ブログから引っ越して来たばかりで迷子状態です。

うちはATFやCVTFは積極的(壊れる前に)に交換するようにしているので、それなりに色んなノウハウを持っていたりします。

もちろん、何かしらの不具合が出て末期の場合はバルブボディやソレノイドの交換、中にはアッセンブリー交換なんて事例も少なくありません。

 

最近気になったのは、日産ノートとスズキソリオのCVTの違いです。

CVTの違いって…

コイツ全然わかってねーな❗️  二台は同じCVTなんだよ❗️

そう指摘する方もおられるでしょうね(笑)

 

ご指摘の通り二車種ともジャトコ製CVT7を搭載しています。

※モデルによって違いますがここでは割愛。

 

さて、ではこの二車の違いとは何でしょう??

それは①制御と②フルード です。

①に関してはまた別の機会に解説したいと思います。

私が今回考察したいのは、各社のフルードの違いです。

疑問を持つに至った経緯ですが、二車は同じCVTにも関わらずソリオの方がフルードの汚れが多いと思ったからです。具体的には、新車状態(もちろんフルードは新品)から汚れが目立つまでの距離が短く、そのままさらに乗り続けてodoが5万kmを超えると何度CVTFを入れ替えても中々綺麗になっていきません。この時点でのオイルパン内の鉄粉も非常に多く、フルード入れ替えでも汚れがどんどん出てくるという状況です。

対して日産ノートは、新車から4万kmほどで汚れが気になり始め、そろそろ交換しても良いかな?と言った様子。5万kmほどの走行でも、1回の交換で既にフルードはある程度綺麗になってくれます。オイルパン内の様子も、「汚れている」と言った印象は受けません。

 

同じ5万kmでも、これほど鉄粉の量やフルードの汚れ(つまり内部の汚れが多い)に差ができる理由は一体何でしょう…

 

CVTは制御系が命❗️と言う設計の大前提はわかっているのですが、それとは別にメカニカル(機構)な違いも絡んでいるのではないかと考えたのです。さすがにここまで差が生じるのは他の原因も絡んでいるはず…

 

そこで私が怪しいと睨んだのが②フルードの違いです。

日産の純正指定はNS-2

スズキの純正指定はグリーン2

※ジャトコの場合

となっています。実はこの2種ですが、NS-2は比較的スタンダードな粘度のCVTFなのですが、グリーン2は従来品(NS-2含む)よりも低粘度な設定となっています。

 

製造を担っているのはどちらも昭和シェル石油(だと思います)なのですが、この違いが影響しているのではなかろうか???

 

だからと言って、スズキ車に日産純正のNS-2を入れるわけにはいきません。恐らく成分的には非常に似ており、粘度以外では共通な部分が多いと思います。

しかしCVTは油圧にとても敏感な機械で、粘度が違うことによってCVTの機構に悪い影響が出る場合もあるのです。

実際に経験した事例では、某輸入車(フランス)に耐熱性を高めるために動粘度の高いアッシュ製FS ATF(CVT共用)を使用したことがありました。非常に快適で熱ダレも起こさず(交換前は酷かったらしい)、上手くいったように思われたのですが、その年の冬にトラブル発生です。恐らくですが、気温が著しく低い場合にはフルードの動粘度も高くなりすぎる(ただでさえ純正より固い)ために油圧系統に異常を発生させたようでした。この時は、症状の原因に予測がついたのでCVTFを低粘度で品質の良いものに入れ替えることでスッキリ解消しました。

ましてや、最近の車両はフルードの循環に電動ポンプを使用している(特にアイドリングストップ)場合があり、粘度を上げるとこの電動ポンプへの負担も必然的に増えるわけです。機械式のポンプならば多少の粘度の違いは許容してくれるのですが、「ある粘度」を循環させるために設計された電動ポンプはキャパを超えると即故障❗️となってしまう可能性が高い。

 

なぜ私がCVTにニューテック のZZ-52ばかりを使用するのかですが、実はこの動粘度が絡んでいます。ZZ-52は低粘度に設定されており、どちらかと言うとスズキ純正グリーン2に近い動粘度です。※従来の粘度が指定されている車両にも使用できます。

え? 汚れやすいって言ってた低粘度な方と近いのかよ❗️と突っ込まれそうですが、そこは素材の底力が全然違うのでご安心を(笑)

 

まぁうちの話は置いておいて…

 

日産CVT車の場合は純正を指定距離かちょっと早めで交換するのが良いと思います。

スズキのCVT車にお乗りの場合は、グリーン2を短いスパン(車検毎とか)で交換するか、信頼できる社外品へ交換するのも選択肢に入れておくと良いでしょう。

その際は、「動粘度に注意❗️」と言う事を忘れないでください。

スズキ車に日産純正NS-2を…  寒冷地で無ければ、恐らく問題は無いでしょうが自己責任でお願いしますね(笑)

 

 

同じ会社のCVTでも色々な違いがあり、これもCVTがデリケートだと言われる所以だと思います。でも、理解する事をあきらめてしまっては終わりです。

ましてや私たち車屋がそれを放棄してしまっては、ドライバーは一体誰を頼れば良いのか。

 

何より、楽しくないですよね(笑)