今日の趣味は読書ですにっこり

 

 

本を紹介する前に余談を。

 

 

ここ数年でYouTubeで本の要約チャンネルが増えてきた気がします。

 

 

若い人は(まあ僕も若者のひとりですが)、タイパとかいって本を読まずに要約だけ確認するようになってきて、無意味な情報収集してるなーと思います。

 

 

要約だけだと結果しか見えず、その結論に至った過程を勉強できないんですよねー。

 

 

そもそも、本を読んだ時に考えることは人によって違うので、自分で読んで内容を自ら咀嚼することが重要だと思うのですが、、、

 

 

要約動画は一度読んだことがある人が、ほかの人はどんな風にとらえるんだろう、ということの確認として活用するなら意味はあると思います。

 

 

どんどん情報がジャンキーになっていく様が観察できますねw

 

 

では本題にいきます。

 

 

タイトル

Science Fictions あなたが知らない科学の真実

 

この本は、ネイチャーやランセットのような有名雑誌に出ている論文でも問題のある論文は出ていて、論文を出す研究者や論文の査読などに問題があるのではないかというメタサイエンスの内容です。

 

 

 

その中でも、面白かった内容を紹介しますニコニコ

  1. 「成長マインドセット」は大した効果がない
  2. ワンシンクの研究はp値ハッキングによるもの
  3. マイクロバイオームとメンタルヘルス
 
 
まず1つ目。
 
 
「成長マインドセット」とは、スタンフォード大学心理学教授キャロル・ドウェックが提唱したもので、人間の能力は生まれたときに決まると考える「固定マインドセット」を持つ人よりも人間の能力は努力で変えられると考える「成長マインドセット」を持つ人のほうが物事をうまくこなせる、というものです。
 
 
TEDトークに出演したり、多くの本や論文で引用されたり、とかなり有名なものなんですが、後から確認してみたら研究の再現性がなく、結果がメディア等で誇張されただけだということが分かったそうです。
 
 
僕も成長マインドセットについて書かれた「マインドセット やればできるの研究」を読んだことがあり、この結果は驚きましたにっこり
 
 
 
 
 
2つ目は、元コーネル大学栄養学教授ブライアン・ワンシンクの有名な研究、お皿と食事量には正の相関があるということを示した研究はp値ハッキングが行われていたというものです。
 
 
p値ハッキングは、統計解析で有意な結果が出るまでデータをいじったりして何回も解析することです。
 
 
例えると、目的の目が出るまでサイコロを振りなおすことです。
 
 
こんなしょうもないことをやって、大学辞職に追いやられているんですよねー。
 
 
このp値ハッキングは思った以上に多くの論文でやられているみたいでかなり衝撃でした。
 
 
 
 
 
3つ目は、最近よく聞く腸内細菌がうつ病やら統合失調症やらに関連がある、ということについてです。
 
 
これは、複数の論文で誇張されているよねという話で、結果からは小さな関連しか見られなかったのにもかかわらず、大々的に関連がありましたと報告するやつです。
 
 
マイクロバイオームでは、まだ相関関係しかわかっていないのに、今後のメンタルヘルス関連疾患の治療に新たな可能性が出てきた、と結論付ける論文があるようです。
 
 
相関関係があるだけで、まるで原因を特定したとするような論文紹介記事を見かけることがあるので、普段そういう記事を読むときに注意してみるのがいいですね。
 
 
このような誇張が行われるのは、比較的新しい革新的な研究について起こりがちだそうです。
 
 
 
 
この本は、論文を読むうえで必要な基礎知識が必要になるので、論文についてあまり知らない人が読むには難しい内容だと思いますが、現在の科学の問題点を学ぶことができるとても面白いものなのでぜひ読んでみてくださいニコニコ
 
 
 
ではまたそのうち