親は宝物 | リディアンのシングル子育て生活

リディアンのシングル子育て生活

リディアンがこれまでシングルファザーとして子育てしてきた実体験を、赤裸々に書いてみようと思います。

当たり前のことではあるが、
親にとって「子供は宝物」であるのと同じように、子供にとっても「2人の親は宝物」なのである。


ご承知の通り、我が家は離婚してシングル家庭の為、
子供にとっての「宝物」のうちの半分が欠けている状態だ。

どれだけ離婚に至る正当な理由があったにせよ、
これは紛れも無い事実である。

それは子供に対して非常に申し訳なく思うし、
その分、出来る限りのケアはしたいと考えている。


   ☆   ☆   ☆


これは、他の家庭の話で非常に恐縮なのだが、一例として挙げさせて頂くと ──



我が家の近所に同じように、父親が子供を引き取った形の家族がある。

そこは父方の実家に暮らしている為、お祖母ちゃんも一緒に暮らしており、
ちょっと我が家とは状況が異なるが。


その家庭は離婚に至った時、相当揉めて裁判までいったということである。

簡単にいうと、母親が「離婚しても子供に会いたい」というのを、
父親と父方の祖母が、かたくなに反対したからのようだ。

確かに話を聞く限りでは相当酷い母親だったらしいし、その父親や祖母の気持ちは分からないでもない。

親としての努めを果たさず、都合の良い時だけ母親面をするのは、
父親の負担も相当なものだっただろうし、心情的にも許せないものがあるのだろう。

そして、もちろん母親にも言い分はあるだろう。

どちらが「正しい」か、などということは私には言えない。
世の中には色んな家庭があるのだ。



ただ、その家の子と話していた時に、たまたま母親の話になったことがあった。

するとその子の顔からみるみる笑顔が消えてこう言ったのだ ──


    「お母さん、嫌い」


どれだけ酷い母親でも、母親は母親である。
たとえ何があったにせよ、こんなに小さな子がここまで母親を憎めるものなのだろうか。

ちょっと私には不可解だった。

もちろんその家族の以前の様子や、母親のした事を全部知っている訳ではない。
憶測でものを言う訳にはいかないだろう。

ただ、小さな子供がここまで母親を憎むようになるには、
父親や祖母の影響が必ずあるように思う。

少なくとも、最終的にはその女性を「その子の母親」として守ってはいなかったのだろう。

そして、その「母親という宝物」を子供の前で「壊して」しまったのだ。

私はそう思った。


   ☆   ☆   ☆


夫婦が子供の前で喧嘩をした時、子供はどう思うだろうか ──


ある程度大きくなれば、どちらが正しいのか判断出来るようになったりするとは思うが、
まだ小さな子供の場合は単純に、

「何でもいいから仲良くしてよ!!」

と思って泣き叫ぶだろう。
もし片方が怒っているのだとしたら、全力でそれを止めようとするだろう。

子供にとっては喧嘩の原因やどっちが悪いかなど、知ったことではない。
親という「宝物」が壊れたり、無くなったりすることが、この上なく恐ろしいのだ。


だから、夫婦は何があっても子供の前で喧嘩してはいけないし、
お互いの悪口を子供に言ってはいけない。

もしやるなら裏で、絶対に子供に見せないようにするべきだ。

それを見せるということは子供の「宝物」を傷つけることに他ならず、
たとえ親や祖母であっても、そんな権利はどこにも無いのだから。



なので、私は離婚してしまった今でも、子供の前で母親の悪口を言ったことは一度もない。


「一緒には暮らせなくなったけど、君のお母さんは素晴らしい人なんだよ」

と、言い続けている。


遠くに行ってしまった「宝物」を、せめて心の中では輝きを保ち続けて欲しいと願って。