おはようございます。
桜の開花宣言が次々とされているようで。つい最近まで雪が舞っていたというのに、
季節の移り変わりが早いですね。
今回は一昨日行った精米ラインの施工工事を御紹介します。
先に紹介しておきますが、定価ベース400万円台で手軽に精米ラインを構成
することができます。(1時間あたり300kg程度能力)
石抜機⇒精米機⇒小米取り機⇒色彩選別機⇒計量機の構成となります。
こちらが施工前の状態です。
設置スペースとしては、縦3.5m×横4.5m×高さ3.5m程度あれば間に合う
感じでしょうか。
こちらが設置予定の機械と工事道具となります。
4トンのロングトラック1台で運搬が可能です。
それでは各機械の御紹介を簡単にいたします。
まずは石抜精米機。こちらはタイワ精機株式会社様の『スーパーデュエット』と
なります。玄米を入れた(張り込んだ)下に石抜機があり、石を除去した玄米が
昇降機を通じて精米機に運ばれます。メーカーのホームページがありますので
御参照願います。
http://www.taiwa-seiki.co.jp/products/supper-duet_abs/ (動画付き)
精米されると、精米による摩擦によって米が砕けてしまいます。
以前にも説明いたしましたが、砕けた米を炊飯してしまいますとデンプンがそのまま
流出してしまうのでベチャベチャになる要因となります。そこで篩(ふるい)にかけて
取り除きます。今回採用した機種が株式会社丸七製作所様の『エコーセレクター』と
なります。高さも簡単に調節でき、砕けた米も受けホッパーで簡単に取り出せます。
http://www.maru-7.co.jp/products/view/67
石抜精米機を置いて、米の排出口に合わせて高さを調整しているところです。
画像の右側にちらっと見えるのが、エコーセレクターからの出口ホッパーと
なります。配管の大きさに合うように製作しました。
排出された米を色彩選別機に投入するために昇降機が必要です。
精研工業株式会社様の『バケットエレベーター』を採用しました。
非常にコンパクトで、扱いやすい商品です。機械の中にも米が残りにくい
構造になっています。
http://seiken-kahoku.biz/products/BE/index.html
色彩選別機です。
近年、安価な色彩選別機が普及しており、ホームページでも紹介させて
いただきましたが、株式会社安西製作所様の『選り助Ⅱ』を採用しました。
ラインの能力としては『LAK-350』でも可能ですが、色彩選別機に関しては、
様々な原料にも対応できるように能力にゆとりを持たせたほうがいいので、
『LAK-700』を採用しました。
http://aritaseikou.jp/shikisai.html (有田精工ホームページ)
こちらもメーカーのホームページがあります。(動画付き)
http://www.anzai-mfg.com/publics/index/41/
前後の兼ね合いや、作業が分断できるように投入タンクと架台を設けました。
ちなみに昇降機の高さが約3mでタンクの高さが50cm。架台の高さが45cmと
なります。ちょうど操作画面が目線の高さになるので、扱いやすいと思います。
脚立は必要ですが、タンクも上蓋が半開きになるようにしているのでタンク内部の
清掃も容易です。
最後に計量機です。計量機はシールする包装機も兼ね備えたり、印字装置や
自動で計量包装する機能等によって金額が大幅に変動します。
今回はお客様がシール機と印字装置をすでに所有されていたため、計量機の
機能に特化した安価型の白米計量機を採用しました。
株式会社タイガーカワシマ様の白米計量機を採用しました。
昇降機と簡易タンクと計量装置がついてコストパフォーマンスが良いです。
計量精度も±5g(メーカー発表)ですので、十分仕事をしてくれるでしょう。
http://www.tiger-k.co.jp/products/autumn/hg
こうして設置した完成図がこちらになります。
色彩選別機用のエアーが必要ですので、既設のコンプレッサーを用意しました。
前半部がこういった配置になります。
精米機にキャスターが付いているので、自由に動かすことが可能です。
こちらが後半部になります。
色彩選別機にぶら下がっているエアーガン(黄色いホース)が絶妙で、
色彩選別機の中はもちろんのこと、昇降機や小米取り機、ステンレスタンクや
白米計量機のタンクにどれも届く距離にあり、大変便利です。
かつては、一つのメーカーで全てを整えたほうが良いとも言われていましたが、
それぞれの専門メーカーが創意工夫を重ねており、組み合わせにも柔軟性が
あります。メーカーの機械塗料の差は若干ありますが、そこまで違和感が
あるわけではありません。例えば自分の家にある家電が全て同じメーカーで
揃えている人は限りなく少ないと思います。
必要な能力、スペース、予算に応じて組み合わせることができるのが我々の強みです。
一人で作業を行うことに特化すればこのような組み合わせが良いと思います。
このお客様もこれまでは数十年前に構築したラインを使って時間を掛けて作業を
行われていました。しかし、競争が激化するにつれ、以前のような取扱量が期待
できなくなってきました。とは言え、機械が老朽化し、より良い性能が求められるなか、
短時間で完結し、性能も満たした新しいラインを作ろうということで今回決断を
行っていただきました。
実はこのブルーシートの左側にそれまでの精米ラインがあるのですが、体積にして
このスペースの数十倍場所を要しています。
このラインを設置した後で、周りを囲って衛生面にも配慮されるそうです。
今まで使用されていた機械を動かすために電気量もかなり多くの契約を行って
おられました。
今回の機種構成では、精米機と昇降機とコンプレッサーが200Vで、精米機と
昇降機で約4kW程度の使用量です。あとの小米取り機、色彩選別機、白米計量機が
100Vとなるので、ランニングコストも抑えることになりました。
既設ラインに固執してライン能力にあった機械の入れ替えにこだわるよりも、
ランニングコストや見通しを考察して新しいラインを構築するほうが結果的に
全体的なコストを抑えることができることもあります。
こちらのブログをご覧になられている業界関係者の方々で、興味のある方は
是非とも御相談下さい。
お待ちしております。
Kame