発達心理学の中でも、特に成人以降に注目した成人発達理論について、わかりやすく解説している本の紹介です。

 

書籍:組織も人も変わることができる!なぜ部下とうまくいかないのか「自他変革」の発達心理学

著者:加藤 洋平

出版:日本能率協会マネジメントセンター

 

 

成人発達理論とは、

 

知識やスキルを発動させる根っこにある知性や意識そのものが、生涯を通じて成長・発達を遂げるという考え。

人の成長プロセスやメカニズムを解明する学問。

 

 

意識構造:人はそれぞれ独自の世界観、つまり「レンズ」を持っており、この固有のレンズのこと。

意識段階:質的に高性能のレンズや物事を俯瞰的に眺めたり、細かい点にも注意を払えたりする。こうした質的な差異のこと。

 

発達理論においては、自分よりも上の意識段階を理解できないとされている。

意識が成熟すれば、器が広がり、より多様な他者や曖昧なものを受容しやすくなり、多様な知識や経験を蓄えられるようになる。

各段階を簡単に要約すると

 

発達段階 2「道具主義的段階」:自己中心的で、達成のため他人を道具のように扱う

発達段階 3「他者依存段階」:指示待ち人間。自分の意志はなく、他人に決定してもらう

発達段階 4「自己主導段階」:自律的に行動ができる。小説家が物語を紡ぐ出せるよう。自分の価値観に縛られる

発達段階 5「自己変容・相互発達段階」:自分と他者を区別せずに、他者の成長支援が自分の成長につながるという考え

 

自己と他者の軸にで分けるとわかりやすいです。

自己中⇒指示待ち⇒自律的⇒自己と他者の区別なし

 

 

目指すは「垂直的成長」

 

これは言い換えると「人間としての器量、器を大きく深くすること」

 

例)他者からのフィードバックを受け入られる器の大きさ

例)社会的ランク(社会的な地位や役職、経済的状況など)を気にするのではなく、心理的ランク(「I’m OK」と思えることで生じる心理的な安定感や安心感)を目指す

 

人間は生涯を通して成長する存在です。

ありたい自分に近づけるよう、この視点は忘れず研鑽していきましょう。