2023.5.26 江若鉄道浜大津駅 1965年(昭和40年)7月の撮影された浜大津交差点の様子。写真に写る江若鉄道浜大津駅と写真手前側には京阪電鉄浜大津駅京津線の乗り場があり、交差点は乗り換え客で行きかったそうです。

①江若鉄道は大津市の浜大津駅から高島市の近江今津駅まで結んでいた鉄道です。「江若」というのは「近江」と「若狭」を結ぶことを目的していたことから、両地域の頭文字をとって名付けられました。

1919年(大正8年)8月9日に新浜大津-現・若狭町間の鉄道敷設免許が下り、1920年(大正9年)2月に江若鉄道が設立されました。1921年(大正10年)に三井寺下-叡山間6kmをもって開業し漸次延伸し、1931年(昭和6年)に浜大津-近江今津間51㎞を開通させましたが、それ以北への延伸は資金不足と人口希薄地帯であったことから延伸を断念しました。

戦前にはいち早く当時日本最大クラスのガソリン動車を導入するなど先進技術の導入には熱心でしたが、浜大津-坂本間を並行して走っていた京阪電気鉄道石山坂本線と競合し、それに加えてモータリゼーションに押される形で乗客は減少し、経営は苦しくなっていきました。最終的には、1961年(昭和36年)に京阪電気鉄道の傘下に入り、国鉄湖西線の建設が決定すると、鉄道事業が圧迫されると考え、1969年(昭和44年)に鉄道事業を廃止し、その鉄道用地を湖西線建設にあたる日本鉄道建設公団に売却しました。

=江若鉄道浜大津駅=

竣工 1928年(昭和3年) 

廃止 1969年(昭和44年)

1925年(大正14年)に新浜大津(後の浜大津)-三井寺間が開業しますが、1928年(昭和3年)に浜大津駅は移転しているので、この写真の建物はこの時の建物と思われます。

江若鉄道と国鉄浜大津駅は、ともに1969年(昭和44年)に廃止され、1981年(昭和56年)にこの両駅跡地に京阪電鉄の浜大津駅が建設されました。

②1961年(昭和36年)に撮影された浜大津駅京都方面の乗り場。駅の左側には浜大津派出所があります。

③江若鉄道近江今津駅 ウィキペディア「近江今津駅(江若鉄道)」より

=江若鉄道近江今津駅=

竣工 1930年(昭和5年)

廃止 1969年(昭和44年)11月1日

解体 2021年5月

近江今津駅は、1931年(昭和6年)1月1日に江若鉄道の安曇-近江今津間の開業に合わせて開業しました。1969年(昭和44年)10月31日に江若鉄道の廃止に伴い、当駅も11月1に廃止されました。

駅廃止後は、駅舎は農協関連施設に転用されたのち、温浴施設、事務所に使われましたが、所有者であるJA近江今津が老朽化により解体を決めました。この時に、2019年(平成31年)から地元住民が駅舎保存運動と交渉を行いましたが、売却条件等を巡って合意には至らず、最終的に2021年5月中旬までには解体されました。

近年まで残っていたので、解体前に身に行けなかったのは残念でなりません、、、大津市までは何度も行っていたのに、、、