2021.10.1

=旧JR直方駅駅舎=

竣工 1940年(明治43年)

様式 ネオバロック様式 トスカナ式オーダー

解体 2011年(平成23年)10月

移築 2020年

直方駅はJR九州の筑豊本線と平成筑豊鉄道伊田線の駅で伊田線の起点です。

1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道が直方駅を開設し、1897年(明治30年)に九州鉄道が筑豊興業鉄道を合併します。

1899年(明治32年)から筑豊地方の石炭輸送の拠点とするために拡張工事が行われ、筑豊炭田各地からやってくる石炭車がここで行先別に編成しなおされて送り出されるようになり、13本の仕分線から若松、西八幡、上戸畑へ送り出されました。1910年(明治43年)には現在地に上の写真の新駅舎が建設されました。

筑豊炭田の隆盛と共に重要な役割を果たした直方駅でしたが、エネルギー革命により石炭の出荷が減少し始め、1958年(昭和33年)から石炭輸送も減少に転じました。これにより、直方駅の作業も縮小されていき、1984年(昭和59年)2月1日に貨物の取り扱いが廃止されました。

2006年(平成18年)に直方市が駅周辺整備事業構想を計画し、その中には駅舎の建て替えが含まれていたことから、市民有志により保存活動が行われましたが、2011年(平成23年)4月29日より新駅舎の利用が開始され、同年10月より旧駅舎の解体が始まりました。その際に、車寄せの部材のみ保存し、2020年に駅前広場に移築されました。