2019.4.21

①1日目は名古屋市内を散策して、翌日は朝一で名古屋から少し離れた半田市にまず向かいます。

=半田赤レンガ建物(旧:丸三麦酒/カブトビール半田工場)=

竣工 1898年(明治31年)

設計 妻木頼黄

施工 清水組

様式 ハーフティンバー様式

煉瓦の積み方 イギリス積み

カブトビールは丸三麦酒が半田工場で1898年(明治31年)から1943年(昭和18年)まで製造していたビールです。丸三麦酒は中埜酢店(現:ミツカン)4代目の中埜又左衛門と敷島製パンの創業者の盛田善平が設立したビールメーカーで当時大手4社に迫る勢いがあり、東海地方ではシェアが最大でした。

1906年(明治39年)には根津嘉一郎に譲渡し日本第一麦酒となり、1908年(明治41年)に加富登麦酒へ社名変更。1922年(大正11年)に帝国鉱泉(三ツ矢サイダー)、日本製壜(飲料用のガラス容器を作る会社)と合併して日本麦酒鉱泉となり、1933年(昭和8年)に大日本麦酒(アサヒビール・サッポロビールの前身)と合併、1943年(昭和18年)に企業整備例により半田工場を閉鎖、カブトビールの製造は終了しました。

その後は中島飛行機の衣糧倉庫として利用され、戦中は半田空襲に見舞われ、レンガにその傷跡が残っています。戦後は1994年(平成6年)まで日本食品化工のコーンスターチの製品保管倉庫として使われ、1996年(平成8年)に赤煉瓦の建物と土地を半田市に譲渡、2015年(平成27年)に観光施設としてリニューアルオープンしています。

⑤道路側から見るとあまり大きな建物に見えませんが、かなり巨大な赤レンガの建物です。

=新美眼科医院=

竣工 1915年(大正4年)

設計 小栗半右衛門

施工 江原新助

⑪同盟書林

⑫半田運河

⑬中埜酒造酒蔵(国盛 酒の文化館) 江戸時代の酒蔵の建物をそのまま使っています。

中埜酒造はもともとはミツカングループでしたが、現在は交流が少し残るのみとなっています。創業は1845年(弘化元年)で、150年を超える歴史を持つ酒造メーカーです。

https://www.nakanoshuzou.jp/museum/

⑭中埜半六邸庭園

⑲中埜半六邸 1959年(昭和34年)の伊勢湾台風で被害に遭い、それ以降廃墟同然で放置され、取り壊しされることになっていましたが、市民が保存を求めて、建物と庭園を整備する形で現在に至ります。こういう動きが日本全国に広がってくれるといいんですけどね。まぁ、保存するにもお金がかかるのはわかるのですが、文化的価値があるものをそれで一蹴するのはどうなんでしょうね。ちなみに、中埜半六家とミツカンの創業家の中埜又左衛門家は中埜半左衛門家の分家筋です。

http://hanroku-collabo.org/%E4%B8%AD%E5%9F%9C%E5%8D%8A%E5%85%AD%E9%82%B8%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%86%E3%81%BF/

 

㉑小栗家住宅(登録有形文化財) 小栗家は半田市の豪商で醸造業などを営んでいた家です。

㉓今は亡き中埜銀行

=中埜銀行=

竣工 1925年(大正14年)

設計 鈴木禎次

施工 志水建築業務店

中埜銀行は1901年(明治34年)にミツカン創業家5代目中埜又左衛門が設立した銀行で、1938年(昭和13年)の一県一行主義に従い、伊藤銀行に営業譲渡しました。伊藤銀行は松坂屋を経営していた伊藤家が設立した銀行で、後の東海銀行、現在の三菱UFJ銀行につながっています。

㉕中埜銀行跡地はこんな感じで旧建物の形をかたどっていて、真ん中のモニュメントは旧建物の窓の部分を使っているそうですよ。

㉗JR半田駅の跨線橋とレンガのランプ小屋 半田駅は武豊線開通と同時の1886年(明治19年)に開業した愛知県下では最も古い駅です。

=JR半田駅跨線橋=

竣工 1910年(明治43年)

=ランプ小屋=

竣工 1909年(明治42年)

㉘半田駅からは電車に乗りません。名鉄半田知多駅まで歩いていきます。

㉙武豊線を最後に走った蒸気機関車(C11265) 1970年(昭和45年)の国鉄の動力近代化計画により蒸気機関車は廃止となり、その時の「さよなら列車」をけん引したのがこの蒸気機関車だそうです。

㉚なんでJR半田駅から乗らなかったかというと、この建物を見るためです。

=旧中埜家住宅(中埜半六家別邸)=(重要文化財)

竣工 1911年(明治44年)

設計 鈴木禎次

施工 志水組

様式 ハーフティンバー様式

㉝さて場所を移して岡崎市です。近鉄半田知多駅から名古屋にいったん戻って岡崎に向かいました。

=額田郡公会堂倉庫=

竣工 1913年(大正2年)

=額田郡公会堂=(重要文化財)

竣工 1913年(大正2年)

設計 吉田栄造

=額田郡物産陳列館=(重要文化財)

竣工 1913年(大正2年)

㊲公会堂も陳列館も重要文化財に登録されていますが、老朽化が激しく中には入れないそうです。下手したらこのまま取り壊されてしまうかもしれません。

㊳岡崎市で見たかったのはこの建物。

㊵現在改修中で2020年冬まで休館です。中に入ってみたかったなぁ、、、岡崎銀行は1945年(昭和20年)に東海銀行に吸収されます。

=岡崎信用金庫資料館(旧:岡崎銀行本店)=(登録有形文化財)

竣工 1917年(大正6年)

設計 鈴木禎次

施工 志水組

様式 ルネサンス様式

㊶この後は岡崎城を見てきました。

㊷ここで味噌煮込みうどんを食べていきました!

=カクキュー八丁味噌本社事務所=(登録有形文化財)

竣工 1927年(昭和2年)

㊹確か岡崎公園前という駅から名古屋に向かったはずです。