だから自動車が売れない マンション販売で行った接客

マンションのショールームでは

今まで、自動車のショールームでの営業の門愛に関する話をしてきました。私は実際に自動車の販売はしたことがありません。そんな経験が無いのによく言うよなと思われるかもしれません。そこで、かつて販売の現場で実際に行っていたことに関するお話を今回はいたします。

 

私が実際に販売していたのは、新築マンションになります。かれこれ30年近く前の話なります。人当たりの悪い私にとってマンションのショールームは結構きつい職場でした。最初は、販売歴の長い人たちの販売手法を真似ることをしていました。

 

優秀な販売員は自然にお客様の心を掴み、話が弾んでいます。ところどころで笑い声が上がったりしていました。彼らは、緊張感のない空気を見事に作っていました。

 

そんな中、私は当然買っていただくには、商品理解が必要なので、一生懸命競合物件の情報を頭にたたみ込み、セールストークを作り準備万端にしていました。十分な準備をした上で、お客様を待ち構えていました。おもいっきりの「笑顔」で。

それじゃ聞いていただけない

お客様の反応は全くよくありませんでした。なぜ反応が良く無いのか?そこで孫子の兵法の「敵を知り己を知らば」と言うことで、じっくり自分自身を見直すことにしました。無愛想な私がいきなり「笑顔」を作っても「作り笑い」になるため不自然になってました。普通に考えて、「作り笑い」の販売員の話なんて聞きたくありません。

 

自分では、お客様との距離を近づけるために行っていた「笑顔」が、お客様との距離を広げるようになっていました。当然の話です。

 

なぜ、こんな距離を広げるようになったのかは簡単な話です。お客様の目線でなく、売りたいとの思いの強い私の目線から話を組み立てているので、お客様が引くのは当然のことでした。

 

そこで考えたのがどうしたら聞いていただけるのか?と言うことでした。私にとっては、普通のことを普通に話しても話は聞いてもらえないのは事実なので、「普通でないこと」を話せば聞いてもらえるのでは無いかと考えました。そうです「迂直の計」です。

 

「なんでこの人はこんな話をこんなところでするのだろうか?」と感じてもらったり、「えっそんなこと聞くの?」といった状況になればお客様は話を聞いていただけるのではないかと考えました。

 

哲学の話なんか聞きたくない

突然ですが、カントの「誤解を招く真実」の話をしましょう。や、吉本の「共同幻想についてどう考えますか?」なんて話をされても聞く気はしないですよ。ましてや、背広をきた堅物の学校の先生の哲学の話なんて聞きたく無いと思います。

 

しかし、もし鼻にピアスをつけた金髪の男が話し始めたら哲学の話を聞こうとするのでは無いでしょうか?これは、哲学の話を聞きたいのではなく、単に、話ている人に興味を持つから話を聞くようになるのでは?

 

興味のない人に話を聞いていただくには、話す人に興味を持っていただくことが大切なことになります。

 

そしてお客様は私を信用していただけるようになった

私の話を聞いていただくにどうしたらいいかを考えました。一番楽な方法は目立った格好をすることですが、サラリーマンですからこの選択肢はありませんでした。

 

そう考えると「話す内容」が普通のマンションのショールームで交わされるものと異なるようにすれば良いと考えました。そこで、他の営業の会話に聞き耳を立てました。

 

彼らの話は「モデルをご覧になられていかがでしたか?」「この辺でマンションをお探しですか?」などで、ダイレクにマンションに関する話をしていることに気がつきました。加えて、質問を女性の方にしていました。

 

ここで、この状況を分析しました。まずは、後者の「女性に聞く」は、家は女性が決めるものとの考えが基本にありますので、営業は女性を中心に話をするようになっています。これってもしかしたら変かも?男性も家に関わるし、多くの場合住宅ローンは男性が借り入れをする。なので、女性にのみ話をするのは実は変かもしれません。

 

そう考えて私は、あえて男性に話をすることにしました。

 

そして質問も男性向けで「ビクッ」とするものにしました。それは「ご主人さん、家に対してどんなイメージをお持ちですか?」と言う質問でした。普通は、モデルの印象などを質問するのに、いきなり大上段からの質問なので、男性はびっくりして答えに窮します。

 

そこで、「ご主人さん、子供時にもしご兄弟がおられたら個室が欲しかったりしますよね、そんなことですよ、お子様の時から家ってどんなものだったのかをお伺いしたいのですが」と話を繋げました。

 

すると、男性は子供の頃を思い出して、いろんな話をするようになります。そうなると、お客様と私の距離は近づくようになってました。想定外の質問をすることで、お客様に興味を持っていただき、お客様との距離は近づき、私のことを信用していただけるようになっていました。

 

この考えから言えるのは、「自動車は男が買う」との考えも改める必要があるのかもしれません。

 

長くなりましたが、今日はこの辺で。

 

次回は、ショールームでの接客に関してのお話をいたします。

 

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