迂直の計とは
将を射んと欲すればまず馬を射よ
いきなりタイトルの「迂直の計」と言われても「なに????」というのが基本だと思います。戦略論好きで三国志などに興味がある方くらいしかこんな言葉は知らないのではないでしょうか。現代の日本においては知らなくって当然で恥ずかしいことではありません。
しかし、アメリカのウォール・ストリートで働く人たちの多くは知っています。「ウォール街」という映画で投資家役のマイケルダグラスは何度も部下のチャーリーシーンに対して「孫子はこう語っている」と言って戦略の説明をしていました。そのくらいウォール・ストリートでは有名です。
かつて欧米での戦争の教科書はクラウゼビッツの「戦争論」でした。司馬遼太郎の「坂の上の雲」の秋山兄弟も海外でクラウゼビッツのことを学んでいます。しかし、第二次世界大戦後クラウゼビッツはあくまでも「戦争」の話であって、外交戦略では活用できないとの評価がなされました。
そこで、外交などの戦略を考える人たちが注目したのが「孫子の兵法」になります。「孫子の兵法」は戦争のことを語っているのではなく、戦争をしないでいかに相手国を落とすのか。そのために必要な戦略とは何か?を解説します。そのために必要になるのは「情報戦」であり「心理戦」と指摘しています。
「情報戦」や「心理戦」に関する考え方を何度も説明してます。「孫子」の考えをわかりやすくした例え話が、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」になりす。戦場では、普通に考えると将を射抜くことを考えます。しかし、将はいろんな動きをします。また防具で身を守っています。
そのため、簡単には射抜くことは困難です。しかし、馬は最低限の防具しか付けていません。加えて体がでかい。そのため射抜くことが比較的に簡単になります。発想の転換です。孫子は、「将を射る」目的は、「将の活動を抑える」ことだと指摘し、特段将を殺す必要はなく、馬を殺してその活動を制限させれば目的は達成すると指摘しています。
そうなんです、この例え話の本質は「目的を考えた上で誰を攻撃すればいいのかを考えなさい」ということを教えているのです。話が長くなりましたが、私がこの例え話をあげたのは「自動車を売るためには何を落とせばいいのか?」を考えて戦術を考える必要があるということを伝えて買ったからです。
孫子の兵法とは
孫子の評価について語りました。孫子の兵法の中心的な考えが「迂直の計」になります。なんか難しい漢字に見えますが、そんなに難しい漢字ではありません。「迂直」の「迂」とは「迂回」の「迂」になります。小学館の漢字辞典の意味は「目的地に真っ直ぐに向かわず、遠まわりである」と書いてあります。
漢字の意味から想像できるように「直線的な攻撃をするのではなく、わざと遠回りする攻撃で相手を打ち負かす」戦略を「迂直の計」の意味になります。
では営業の世界でこの「迂直の計」はどういった考えなのでしょうか?そのことを理解するためにもう少し孫子の考えに関して説明します。まどろっこしでしょうがお付き合いください。孫子の考えを理解していただかないとこれから語る一連の話を理解していただけないので。お付き合いください。
孫子は、戦争は国民を殺し経済を破壊することなので行ってはいけないと説いてます。「百戦して百勝するも善の善なるものあらず」と指摘して、戦争を行うものは最善の戦略をとっていないと批判しています。
最善の戦略は「戦わずして勝つ」ことにあって、そのためには「心理戦」や「情報戦」を活用しないさいと孫子は教えています。ビジネスの世界で例えると、例えば、交渉相手とは相対で行うべきで、競争入札になったら勝てるかどうかわからないのでそんな戦略は取るなということになります。
相対の交渉を行うためには交渉相手と密な情報交換を行うことが必要になります。そこにおいては「情報戦」や「心理戦」を仕掛けて交渉相手が交渉先を自分だけに持っていくように仕掛けることが必要です。相対に持っていければ、孫子が指摘するところの理想の戦略になります。
例えば、自動車の販売をするときに競合のメーカーとの「比較検討」に持ち込まれることは、「戦争」ということになります。これでは負ける可能性があり避けるべき戦略になります。大切なのは「比較検討」という「戦争」に持ち込まれなようにすることになります。
「比較検討」に持ち込まれないようにするためにはどうすればいいのか?これを考える必要があります。「比較検討」されないようにするためには、普通の販売員は、お客様が「他社のショールームに行かない」ようにするためにお客様の拘束を考えます。しかし、これは間違いです。そんな拘束するような人のことを皆さんは信用しますか?
ここで考えるべきことは「比較検討」に持ち込まないようにすればいいだけで、他社の自動車を見せないことではありません。特段お客様は他社の自動車を見てもらって問題はありません。自社の良さを最終確認してもらうには必要なことになります。
それまでの間に「比較検討しない」ような人間関係の構築が必要になるのです。そのためには、孫子が指摘するようにお客様との間の「心理戦」を行うことになります。この「心理戦」を制したらお客様は販売員の勧める自動車を買うようになります。
住宅ローンの話は保険の見直しに
最近よく見かけるコマーシャルの中の一つに、「保険の見直し」をする保険販売会社のものがあります。多くの日本人は社会人になりたての時に言われるままに保険に加入しています。時間の経過で家族構成などが変わるわけで実際に必要な保険の内容は変わります。その問題を指摘して保険の売り込みをするのがビジネスモデルになります。
実は、保険は住宅ローンとリンクしています。このリンクのことを知っている人はほとんどいません。理由は簡単で保険は保険会社、住宅ローンは不動産会社と分離して発注しているからです。しかし、住宅ローンと保険との間には密接な関係があります。
住宅ローンには、「団信」という保険が付いています。「団信」とはローンを借りた人が亡くなった場合には保険でローンが返済され相続人はローンの支払いから免除されることになります。そうなんです、住宅ローンを申し込むと、保険を同時に買っていることになります。
保険と住宅ローンの密接な関係があるので、保険を売ろうとする営業は保険の話から入らずに「住宅ローン」の話から入った方が話を聞き出しやすくリマス。逆に住宅ローンの借り換えの営業をするのであれば、住宅ローンの話から入るよりは「保険」の話から入ったほうが話はしやすくなります。
実は、保険の販売や住宅ローンの販売で数字を上げている営業の方は、直接的に自分の販売したい「保険」の話でなく「住宅ローン」の話をしたりしています。営業に関係ない「住宅ローン」の話ですからいくらでもお客様はしてくれます。その話の中で人間関係を構築して最終的に目的の「保険」の話に持ち込むのです。
自動車を売るための迂回とは何
「住宅ローン」と「保険」の関係が「迂直の計」を営業に活用した事例になっていることわかっていただけましたか。そこで、自動車販売における「迂直の計」の考えとはどんなものになるのか考えてみましょう。
まず「直」に関しては、わかりやすいと思います。それはいきなり「自動車買ってください」とお客様に伝え、何時間も「うちの自動車がいかに優れているのか」を語るパターンです。極端な例で指摘していますが、似たようなことをやってませんか?多分今自動車を販売している人の9割の方が日頃行なっていることだと思います。
では。「迂」の営業戦略とはどんなものになるのか?考えても浮かばないと思います。それは、今まで考えたことがないので仕方がないことです。思い付かなくっても気にしないでください。
実は、このことを考えることはそんなに難しいことではありません。お客様の真理を考えるとこの「迂」のルート考えることができます。
どんな商品でも消費をするときには「解決したい問題」があってその「解決」のために行動します。洋服を買うときには、「今の洋服が合わなくなった」や「結婚式に行くため」などの問題がありその解決に消費をします。
旅行でも同じです。最近旅行に行ってないので「旅行に行きたい」という欲望の解決のために旅行に行きます。消費という行為は必ず「解決したい問題」があります。しかし、お客様は通常「目的」の先の「問題」の話をすることはありません。
お客様が話さない「問題」のことを掴み、その解決策の話をするとお客様は販売員のこと信用するようになります。これが、「迂直の計」の考え方の基本になります。
では自動車の販売ではどういったことになるのでしょうか?自動車購入に関しての「迂」とは、「生活」「趣味」そして「仕事」の3つになるのではないでしょうか?基本的に「自動車好き」の人へは営業は不要です。「自動車好き」の方は買うか買わないかは決まっていて。ただ話がしたいだけだからです。
「自動車好き」以外の方に関しては、自動車購入の目的の先の解決したい問題とは前述の3つのうちのどれかになります。どれに当たるのかを確認することが大切になります。この3つのどれに当たるのかを分類した上で接客するとお客様との距離は確実に近づくことになります。
今回は、「迂直の計」の解説でした。意味することわかっていただけましたか?話が広がっていますので、とりあえず、今日のところはここまでにします。
次回は、「迂直の計」の考えを理解していただいた上で、実践にどうやって組み込むのかのお話をいたします。それでは。長くお付き合いいただきありがとうございました。
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