窓のあり方を考える家
はじめに
近所で竣工した戸建は、せっかく注文住宅で建てたにも関わらず注文の良さが実現していない痛いものでした。
デザインや日本の気候との関係で家の機能を考えるとこんなデザインにはならないのです。プランを考えるときに窓のあり方を考える設計者やデザイナーはほとんどいません。そのためこんな痛い家になります。
たぶん折角の窓ですが暑さから夏場から秋にかけてはカーテンを閉めっぱなしの薄暗い部屋になるのではと思うような家になっています。
なぜこんな痛い家になるのかを説明していきたいと思います。
窓のあり方を考えるとは
場所は、川崎の北部の住宅街の中の狭小で変形した敷地で、しかも傾斜地なのでプランを考えるのは大変だとハウスメーカーの営業マンや設計者は思うような土地です。本来高低差のある敷地は個性的な家を建てるのに最高の立地なのですが、ハウスメーカーの人たちはそう考えません。
理由は、ハウスメーカーなどの家は基本的に自由設計と言いながら、実は敷地形状や広さに応じて基本的な企画が決まっています。理由は、建築費を安くするためにユニット形式になっているのです。
特にパナソニックやリクシルなどの建材を使うハウスメーカーは、パナソニックなどのメーカーのユニットの定番サイズでユニットを組み立てるため、変形地などでは本当の自由設計になるために建築費が上がるような仕組みになっています。
そんな、ハスメーカーに相談するとこのような痛い設計の家になります。
何が痛いのかは、窓の形状にあります。写真ではわかりませんが、この窓と玄関のある方向が南向きになります。敷地が変形地なのでユニットのことを考えると南にしか玄関が作れなかったのだと思われます。
そのため、2階をリビングにしたようです。折角の南向きのリビングになるので明るさを取るために2階の窓の上にさらに窓をつけています。それはある程度意味があるのですが、こんな小さな窓では光は十分に降り注がないと思われます。
この写真でわかってもらえるかもしれませんが、建物の先に見えるのは渋谷方面の風景になります。空気が澄んでいるときにはスカイツリーまで見渡せて素晴らしい景観を望むことができます。
ちなみにこの写真を撮った場所が川崎市で一番標高の高い場所なので、初日の出の時には多くの人たちが見にやってきます。そんな風景の優れた場所なのです。
それにも関わらず、渋谷方向には風景を望むような大きな窓はありません。勿体無い事になります。
窓は大きく分けて3つの機能がある事になります。一つ目は、出入りするための窓。二つ目が空気の流れを作るための窓。最後が風景を眺めるための窓。この3つの機能から窓の設置を考えるのが原則です。
もし私がデザインを依頼されていたら、リビングの窓は渋谷の風景が見える方向にして、大型のはめ殺しの窓をつけます。南側には低い場所にかぜを流すための窓、高いところに光を取り入れるための窓。窓の位置付けを決めてからデザインに入ります。
南神話が生む悲劇
日本の住宅は高度経済成長の中で住宅のあり方が変わりました。それまでは、障子や襖で区切られていた部屋が扉で区切られた空間になりました。加えて、高く売るために差別化のキャッチコピーとして南神話を作る事になります。
南神話の結果、「リビングは南向きがいい」と思い込むようになります。南神話はそれはそれで意味があります。それに加えて、リビングの窓からは外に出れるようにするという事で、引き違いの窓ガラスが入れられる事になります。
その二つの組みあわせの結果、写真のような外から見てもデザイン的に問題のあるような家になってしまします。
コルビジェにとっての窓のあり方
最近コルビジェのは話ばかりしているので飽きてきている方もおられるでしょうが、申し訳ないのですが今回もお付き合いください。
この窓の配置が窓には機能があるとの考えが実現している設計だと言えます。右手上方の窓は日常的に開け閉めするのは困難です。明らかに光を取り入れるための窓だとわかるような窓です。
この場所から見ると二つの窓は機能が違うことがわかります。左手の窓は大型の窓ですので風景を眺める窓のように感じられます。しかし、実際には空気を取り入れるための窓なので開閉するようになっています。
正面の窓は多分風景を眺めるための窓なのだろ思います。明らかにデザイン的効果があるようになっています。設計時点で明確にそれぞれの窓の位置付けを考えていたことが想像できると思われます。
風景を眺める窓って気持ちいい
基本的に窓の位置付けを考える必要があるのでしょう。
どうですかこの窓は開きません。はめ殺しの窓です。目的は風景を眺めるということを目的としているからです。北向きの窓ですので強い日差しは差し込みません。そのため、紫外線の問題からも解放されます。
北向きの窓から見える夕映は言葉で語ることができないくらい美しいものです。悲しいかな、そのような鬱くうしい夕陽は一年に何度もありません。しかし、その1日に出会えると喜びが生まれます。
やはり、窓には機能があるので、立地を考えて窓の形状を考えるべきです。そのことで、実はファサードもよくなっていきます。
この話の平面図で理解することは不可能です。理想の注文住宅の実現を求めるのでしたら一度プランに関してご相談ください。見直しが可能かもしれませんので。
今日のところはここまでで、次回をお楽しみに。
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