美しいものを感じる目は教わることで生まれる
理想の家を作りたい、みなさんはそんな思いで注文住宅を建てようと考えたり、中古マンションを購入してリノベーションをしようとしているのでしょう。理想の家とはどんなものなのか?理想の間取り、好きな住宅設備など色々と夢は広がっていると思います。
好きなものだけで組み合わせるとギクシャクしたデザインになります。どうしてなのか?建築の格言に「美は細部に宿る」というものがあります。デザインが優れていても、好きなものを組み合わせると全体的なまとまりが出でません。プロのデザイナーは削ることでまとまりを出します。
そこで大事なことは「組み合わせ」や「見せ方」。先日この「見せ方」について証券会社の営業マンとの間でこんなエピソードがありました。
なんでここにタイルがあるのですか?
若い人たちと接するのが好きなので事務所に飛び込みでやってくる営業マンと結構意味もなく付き合っています。そんな中の一人に証券会社の営業マンがいます。彼は、やりたい事業があって将来独立を考えています。そのためいろんなことを吸収しようと思っているみたいで株の話でなく世間話で良く事務所にやってきます。
そんな彼は先日私がお客様との打ち合わせの準備のためにでテーブルの上にタイルが数枚置いている時にやってきました。
「社長、なんで今日はタイルがあるんですか?」と当然の質問がされました。今やっているお客様の件で云々と私が説明をしていると、その間彼はタイルをまじまじ見ていました。
「綺麗なタイルですね」
「そうこれはサブウェータイルっていうものでニューヨークの地下鉄で使われてんだよ」
「へ〜そうなんですか、カッコ良さそうですね」
彼がタイルに興味を持っているみたいだったので、私はネットから2枚の写真を取り出して彼に見せました。
「これは2枚とも同じサブウェータイルを使っているけどどう思う?」
「うわ〜全然違いますね。2枚目の方が綺麗に見えます」
「どうして綺麗にみえるんですか?」
当然の質問がありました。そこで、違いの説明をしました。
理由は二つで、一つ目は「タイルの目地の色」の問題、二つ目は「タイルの貼り方」の問題にあります。
「タイルの目地」に関して
2枚目の写真は、目地が黒になっています。1枚目は白い目地です。ここで重要なのは、タイルは目立たせるものなのか?それとも目立たせないのか?ということを決めることです。黒の目地は決してダメではありません。ただ、黒の目地にするときにはタイルを「目立たせる」ことが目的になります。
そこで2枚目の写真のを見ると、タイルを目立たせながらカウンターも目立たせたいとの思いがあったと思われるために、強い柄が二つが争っているように見えます。カウンターは結構個性のある強い建材を使われています。そのためにスッキリしたデザインに見えないのです。
ここはもしカウンターを目立たせたいのであれば目地は白が正解です。もしタイルを目立たせたいのであればカウンターはもう少し地味なものー例えば白で木目がうっすらみえるようなものーにするとすっきりとしたデザインになうと思われます。
タイルの貼り方はタイルをうまく使うための命
実は一番の問題は、タイルの貼り方です。2枚目の写真はタイル職人に貼り方と言いますか貼り始めの位置に関する指示を出していないので綺麗に見えないのです。タイル職人は基本的に施工が楽なように貼ります。しかし、施工が楽な貼り方が必ずしも綺麗であるとは限りません。
基本的にタイルは貼り始めをどこにするのかによってタイルを生きるか死ぬかが決まります。2枚目の写真では、端のところをみてもらうとわかるのですがタイルのサイズがバラバラになっています。このバラバラがせっかくサブウェータイル の持っている美しさを殺しています。
1枚目の写真では、まず、壁のサイズをタイルの整数倍にしていますので、タイルは1枚まるまるか半分のサイズの二つで端が組み合わされるようしています。しかも人の目が一番いくと思われる場所に1枚ものが端にくるようにして貼っています。そのために綺麗にみえるのです。
教わることで見るものが変わっていく
営業マンの彼は、以上のような説明を受けると納得し感動して帰って行きました。そして1週間が過ぎて彼は近くに来たのでということで事務所に顔を出しに来ました。
「社長先日いい話を聞かせていただきありがとうございました」
「なんだっけ?」
「タイルの話です」
「へ〜何があったの?」
実はということで彼はそれからの1週間の話を始めました。
タイルの話が耳に残り、その後レストランなどに入るとタイルに目がいくようになったそうです。その結果、「どういったタイルが綺麗なのか?」などを考えて見るようになったとのことでした。そのことが楽しくってと嬉しそうに語っていました。
見方を教わることが大切
彼は自分でも言ってました、「注文建築で家を建てるしかなくなりました。分譲のようないい加減なタイルの貼り方をしたものには住めなくなりました」と。
そうなんです、「見方」を教わることはとても大切なことなんです。「見方」を教わることで実は「組み合わせ」を教わることになります。その結果美しいものの作り方が自ずとわかるようになります。
多くのハウスメーカーやリノベーション業者はパナソニックやリクシルなどの分厚いカタログを持って来て「この中かから選んでください」と言います。しかし、大量の商品から選ぶことはまず不可能です。疲れます。
パナソニックやリクシルにもいいデザインのものはあります。しかし、それを探すのは大変なことです。そもそもがいいデザインとは何なのかの問題もありますが。加えて、床、クロスやカーテンなどとの組み合わせが重要なので、そんなことを考えて選ぶことなどはやはり不可能です。
もし、自分たちのこだわった「理想の家」を手に入れたいのであれば、まずは「見方」を教わること。そして、「見方」を教わった上で実物を見に行き、自分たちの求めているデザインを探すことです。そしてイメージの固まった理想のデザインを実現するためのデザイナーにデザインを依頼することです。デザイナーはみなさんの現実的なデザインの特徴がわかりますので、みなさんに最適なデザインの提案や設備の提案をしてくれます。
みなさんの考えている「理想の家」を作るにはまずは「見方」を教えてくれる人に出会うことが大切です。
さて自分たちの思いを実現するためのリノベーションや注文住宅をお考えの方はこちらにどうぞ。
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