【庭の野菜スープ】

今年は7月からやけに暑い日が続いていたんだけど、今日は涼しかったので、家の薪ストーブを焚いて料理した。例年なら夏場でも朝晩はけっこう冷えるので、夕方ちょっと煮炊きするのにストーブを焚くと、ちょうどいい。うちの薪ストーブは、焚口の上が調理台になってて、その左がオーブンになっている。昔ながらの料理兼用ストーブだ。

あまり暑いと、家の中でストーブ焚きたくないので、外でキャンプ用のストーブを焚くか、台所の電熱調理器で料理する。薪ストーブの料理の味に慣れていると、電熱で作った料理は、味がないのがわかる。同じ材料で同じように作っていても、自然の味がしないのだ。

何を熱源にしているかで、料理の味は確実に変わる。薪を焚いた熱で料理するのが、やっぱり最高においしくなる。

それで今日は、庭からジャガイモとビーツを掘ってきて、野菜スープをこしらえた。今年は初めて玉ねぎもビーツもまあまあの大きさに育ってくれたから、庭の野菜だけで煮込みスープができてしまう。

干してあったポルチーニ茸とハナビラタケを入れて出汁にして、芹みたいなハーブのラベージで香りをつける。ビーツで赤い色がついたきれいなスープができる。ビーツは煮込むと甘みが出て、いい味を出してくれる。

庭で自然に育てた野菜は、どれもびっくりするくらい味が濃い。シンプルに野菜を煮込んだだけのスープは、一つ一つの野菜の味がたっぷりと味わえる料理だ。

とりわけおいしいのは玉ねぎで、庭で採れたのはやけに固いんだけど、水ぶくれしてないからっていうことなのか、玉ねぎと思えないくらい味が濃い。これを半分に切っただけで煮込むと、すばらしく香りがあって甘みがある。

野菜というのは、実はこんなに味があるものだったのだ。やっぱり野菜は、流通に乗ると味がなくなる。朝市で農家の人が売っているのは、それよりずっとおいしいけれど、それでも自分の庭で自然に育てた野菜に比べたら、やっぱり味がない。

お金がかからなくなるほど、食べ物はおいしくなるのだ。こんなことは、都市に住んでいたときには、思いも寄らなかった。


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