「南海トラフ 地震予測の嘘」
(東京新聞記者 小沢 慧一氏の記事より抜粋)
地震予測をする際に使用される「単純平均モデル」と「時間予測モデル」と言うのがある。
「単純平均モデル」は、過去に起きた地震発生間隔の平均から確率を割り出す方法。
「時間予測モデル」は、大地震の後では次の地震までの間隔が長くなり、小地震の後では間隔が短くなるという理論に基づいた方法で、地盤隆起の高さを計測して次の地震が起きる時期を予測する方法である。
この二つの理論は地震予測の確率が大きく変わってしまう。
実は日本中の地震は「単純平均モデル」を採用しているが、「南海トラフ」のみ「時間予測モデル」を採用しているという。
数多くある地震のうち、南海トラフ”のみ”である。
「時間予測モデル」では「南海トラフ」の地震が起きる確率を70%と弾き出した。ところが全国で一般的に使用されている「単純平均モデル」では、なんと20%という予測になるらしい。
地震調査委員会で地震学者たちは、南海トラフも全国で統一された「単純平均モデル」を使用するべきだと主張し、もし70%という「時間予測モデル」を使用するならば20%という「単純平均モデル」も併記すべきだと主張する。
しかし、分科会よりも上位にある政策委員会が「いまさら数値を下げるのはけしからん」と猛反発。地震学者たちがまとめた意見は一蹴された。
その理由は簡単である。
「確率を下げると『安全宣言』と取られる」「防災予算が獲得できなくなる」からだ。
それが行政・防災側の主張だったのである。
国土強靭化計画の予算(南海トラフ地震、首都直下地震対策などを含む)は2013年度から2023年度までに約57兆円の予算。
地震調査研究関係予算は年間100億円(2023年度概算要求額)が使われている。
2024年度の予算案は5兆2201億円。南海トラフや首都直下地震の防災対策にいくら割り振られるかの正念場でもある。
さて、何故地震学者たちは南海トラフにだけ使用される「時間予測モデル」が問題だと主張するのか。
その根拠となる論文では、江戸時代の役人が残した古文書の記録を基にしているからである。
なんと竹竿で地盤の隆起の高さを測っただけの計測値に基づいているということなのだ。
しかも地震が起き、地盤が隆起すると、港の海底までの深さが浅くなるため、掘削が行われている。
つまり人間が掘削して掘り下げた海底からの隆起を測っているということになる。
そんなデータを地震学者たちが信頼するはずがない。
なんということだろう。結局は「危機が迫っている」と言うと予算を取りやすい。
南海トラフが「予算獲得の打ち出の小づち」だったということである。
それでも貴方は、米や水やトイレットペーパーを買い占めますか?
東京新聞 小沢 慧一氏の渾身の記事より
https://president.jp/articles/-/79308
図は、東京新聞記事より
https://www.tokyo-np.co.jp/article/38092
https://www.tokyo-np.co.jp/article/210618
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