(一部抜粋)
記憶と魂が現実的に伝播していく光景

今回は、マレーシアの科学者であり地政学等の専門家であるマシュー・マーヴァク博士という方の寄稿文をご紹介したいと思います。

結構長いものなのですが、話としては、心臓などの「臓器移植」の後、レシピエント(提供を受けた側)の性質的特性や「記憶」が、ドナー(臓器を提供した側 ← 心臓の場合は死者ということになります)と似てくる事例がとても多いことについての論文の引用の話から始まります。

記事のタイトルは、「外来 DNA はあなたの魂をコントロールできるか」というものです。

そして、後半、話の内容は「医療的な遺伝子介入はどうなのか?」ということに移行していきます。

この記事をご紹介したいと思った理由としては、5年くらい前、

「骨髄移植を受けた人の DNA がすべてドナーのものに変わっていた」

ということについての米ニューヨークタイムズの記事をご紹介したことがあり、これにかなりショックを受けたことがあるからです。

以下の記事です。

(記事)「本人」とは? : 骨髄移植の後、移植を受けた人の血液のDNAがドナーのDNAに完全に置換されることが判明。特に「精子」は100パーセントがドナーの遺伝子となっていた
In Deep 2019年12月24日

タイトルに「精子は 100パーセントがドナーの遺伝子となっていた」とありますが、そうなんですよ。

つまり、理屈でいえば、「レシピエントの DNA の遺伝子の連続性は、そこで消えた」わけです。

仮に、その後、この人から子どもが生まれたとしても、

「遺伝的には彼の子どもではない」

のです。

父親の DNA をいっさい持たない子どもが生まれるわけで、そして、その子どもが持つ遺伝子は「ドナーのもの」となるのです。

父親本人の姿形も、おそらくは性格などもそれほど以前とは変わらないのに、「すでに彼は本人ではない」という現実がもたらされることにショックを受けたのでした。

これは、骨髄の移植の事例であり、つまり骨髄は、血液細胞(白血球、赤血球、血小板)をつくる組織ですから、血液が作られるたびに、ドナーの DNA が圧倒していき、時間の経過と共に「すべてがドナーの DNA となる」ようです。