(一部抜粋)
米エポックタイムズで「終末期意識清明」に関する記事を読みました。

これは簡単にいえば、重度の精神疾患や脳疾患などを患っている人などで、ほとんど認知の状態がない、あるいは言語が失われているという状態を何年も、場合によっては十数年も経験している人が、

「亡くなる直前に、認知や記憶が何もかも明晰な状態になる」

ことで、曖昧には聞いたことがあったかもしれないですが、記事として、論文などを引用して体系的にまとめられていたものは、初めて読んだ気がします。

まずは、その記事をご紹介します。かなり長い記事です。論文のリンクはすべて示しました。

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終末期の明晰性:多くの患者が最後の数日間に説明のつかない精神の明晰さの回復を経験する

Terminal Lucidity: Many Patients Experience an Unexplained Return of Mental Acuity in Their Final Days
Epoch Times 2024/06/11

アンナ・カテリーナ・エーマーさんの症例研究は、終末期の明晰性に関する研究の中で最も有名なものの一つであり、この現象は研究者を困惑させ続けている。

ケーテとして知られるエーマーさんは、1895年に重度の障害を持って生まれたドイツ人女性だった。彼女は 6歳のときに精神病院に送られ、26歳で亡くなるまでそこで暮らした。

施設を運営していたフリードリヒ・ハピッヒ医師は以下のように回想している。

「ケーテは、当施設で暮らした患者の中でも最も重度の知的障害を持つ患者の一人です。生まれたときから、彼女は重度の知的障害を患っていました。一言も話すことができませんでした」

「何時間も特定の場所を見つめ、その後何時間も休みなくそわそわしていました。食べ物をむさぼり食い、昼夜を問わず汚物をまき散らし、動物のような声を発して眠りました。ケーテが当施設で暮らしていた間、彼女が一瞬でも周囲の状況に注意を払ったのを見たことはありません」

ケーテは髄膜炎を何度も患い、「知的思考に必要な脳組織の多くが破壊された」と考えられていた。また、結核を患い、足の切断に至り、それが最終的に彼女の死因となった。

彼女は一言も話すことはなかった。

しかし、彼女が死に瀕していたとき、予期せぬ出来事が起こった。彼女が独り言で歌い始めたのだ。

彼女は、はっきりと完璧なドイツ語で、葬儀の賛美歌を歌った。亡くなるまで、丸々 30分間、独り言で歌い続けた。

ハピッチ医師はケーテの死の床での次のような光景を語った。

「ある日、科学者としても精神科医としても尊敬されている医師の一人から電話がありました。彼はこう言いました。『すぐにケーテのところに来てください。彼女が死にかけています!』と」

「私たちが一緒に部屋に入ったとき、私たちは自分の目と耳が信じられませんでした。生まれつき完全に知的障害があり、一言も話したことのないケーテは、死に際の歌を独り言で歌っていたのです」

「具体的には、『魂はどこに居場所、安らぎを見出すのか? 安らぎ、安らぎ、天国の安らぎ!』と何度も何度も歌っていました。彼女は 30分間歌い続けました」

「それまで無表情だったケーテの顔は、一変し、霊的になりました。そして、ケーテは静かに息を引き取りました。私やケーテの世話をした看護師と同じように、ケーテの目には涙が浮かんでいました」