【キノコ尽くしの料理】

キノコがカゴいっぱいに採れると、しばらくは毎日のようにキノコ料理ばかり食べていたりする。

ポルチーニやヤマイグチ、ウラベニイロガワリみたいなイグチ類は、干してもおいしいので、すぐに焼いて食べる分を残して、スライスして干しておく。これは、スープに入れたり、炊き込みご飯やリゾット、いろいろに使えるので、冬中食べられるように、たっぷり干しておく。

ウラベニイロガワリは、焼くとプリプリしてハツみたいな感じになるので、スライスしてオイル焼きにして、瓶に入れておくと、なかなか気の利いたオードブルになるのだ。ニンニクおろしとバルサミコ酢でちょっと和えて、庭から抜いてきた若い玉ねぎを刻んだのと、ルコラを添える。

玄米のリゾットには、ポルチーニ茸を入れて、別にオイル焼きにしたキノコをのせた。小さいポルチーニやキッコウアワタケ、ウグイスハツ。キッコウアワタケなんかは、食べられるのを知らない人も多い。キノコは、知っていればいるほど、いろんなキノコに手が出せる。こういうのをいろいろオイル焼きにして食べ比べるのが、また面白い。

雁茸は、塩漬けにしておいたのをフライパンでオイル焼きにして、瓶に入れておいたら、これがちょっとイカの塩辛みたいな感じになって、何かのときに乗せて食べたりしていた。雁茸は、白身魚みたいな味で、オムレツにするとおいしいんだけど、焼いて瓶に入れておいたのを、リゾットにのせたりしても、なかなかいける。

そんな風だから、キノコが出る季節になると、だいたいいつも瓶に入れたキノコが1つか2つはあったりする。

去年はキノコが少ない年で、干しキノコもキノコの塩も切らしていたので、さっそくたっぷりこしらえた。キノコの塩は、ポルチーニやヤマイグチを塩と一緒にすり鉢ですって、乾かして作る。そうすると、キノコの香りがする塩ができる。これは、半熟卵にかけると実においしいので、いつもたっぷり作っておく。キノコの塩は、もちろんスープストックみたいにも使える。

庭にもときどきキノコが生えることがあるんだけど、数日前には、ずいぶん大きなヤマイグチが2本も生えていた。ヤマイグチは、白樺のまわりに生えるキノコなんだけど、うちの庭には、勝手に生えてきた白樺があっちこっちに伸びてきている。

キノコがあれば、あとは庭に生えている野草とか野菜とかで、だいたい何かしら料理ができてしまうのだ。だから、キノコがあるときは、そんなものばっかり食べている。私にとっては、食材は買うというよりは、見つけてくるものなのだ。自然の食材を知れば知るほど、どんどん買うものが少なくなっていく。そして、お金がかからなくなればなるほど、生活は豊かに健康的になっていくのだ。


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