【キノコの季節が始まった】

このところ、一日中雨が降ったり止んだりの日が続いていたのだけれど、今日は久しぶりに陽が射したら、今すぐに森に行かなければという気がした。

こういう風に、今すぐ森に行かなければという気がするときは、キノコがあるときなのだ。まるで、森の精霊が、キノコ生やしたんだから、採りに来てくれと言いに来ているかのようだ。何だか知らないけど、とにかくすぐに行かなくては申し訳ないような気がする。

ポルチーニかウラベニイロガワリが一本くらい生えているかもしれないと思って森に行ったら、森に入ったとたんに、ガンタケが2本も生えていた。ガンタケは白身魚みたいな味がして、オムレツなんかにするとおいしいキノコだ。

すると次には、きれいなヤマイグチが生えていた。これは、ソテーにするとおいしいし、干しキノコにするのもいいやつだ。

今日の収穫はこれくらいかなと思っていたら、トウヒの森の中に、大きなポルチーニが2本も生えていた。雨がたっぷり降ったせいで急激に大きくなったのか、大きい割にはそれほど虫に喰われていない。今頃のポルチーニは、だいたい先に虫に喰われてしまっていて、これくらい大きくなったのは、ほぼ完食されているのが常なのに。

ドイツ語で、魔女のキノコという意味の名前のウラベニイロガワリも、何本か生えていた。これは、オイル焼きにすると、ハツみたいな感じになる。瓶に入れておいて、冷たいのを食べるのも、すてきなオードブルみたいな感じでいい。

6月の始めからこの収穫とは、今年はすばらしいキノコの年になりそうだ。キノコは毎年決まって生えるものでもなく、年によって生えたり生えなかったり、いろいろだ。

去年は、ちょっとあり得ないくらいにキノコの少ない年だった。夏中ほとんど生えなくて、秋になればさすがに生えるかと思ったら、これも当てが外れた。いつもなら、ポルチーニやイグチ類の干したのが、翌夏まであるのに、去年は冬のうちに使い切ってしまった。

去年はそれでも、たまに森に行くと、ハナビラタケがいくつも生えていたりして、キノコが少ない割には、採れていたのだ。やっぱり、これから森に行かなければという気がして、森に入っていくと、ちゃんとキノコがあった。

6月の始めから、これほどキノコが採れるとは思っていなかった。去年があまりにも生えなかったので、今年はその分たっぷり生やしてくれているのかもしれない。

ポルチーニや他のイグチ類で作っているキノコの塩は、半熟卵にかけると最高なので、いつもたっぷり作っていくんだけど、去年はポルチーニがほとんど採れなかったので、しばらく前からキノコの塩が切れていた。だから、早くポルチーニが生えてくれないかなと思っていたところだった。

それで早速、キノコの塩を仕込み、ガンタケと魔女のキノコは塩漬けにして、残りのポルチーニは薄切りにして干した。

今日は味噌ラーメンだったので、ヤマイグチをモヤシと一緒に炒めて入れただけだったけど、明日からはポルチーニのソテーにガンタケのオムレツ、魔女のキノコのオイル焼き、としばらくは食材には困りそうにない。


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