以下、まとめました。
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【質問】
ズバリ、「涅槃」とは、何でしょうか？
【回答】
お釈迦様は、「涅槃」に対しては、言葉で語っておられません。「これだけは、言葉では通じない世界である」と説いておられます。
お釈迦様は、「究極的な幸福という何かがある筈だ。それを探そう」と思われて、出家されて、苦行を捨てて、「中道」で生きることを実践なさいました。
そして、菩提樹の下で、悟りを開いたのです。そこで、得た境地が「涅槃」です。
悟りを開いたのは、いいのですが、発見された真理は、一切の、すべての概念を超えているものでした。
概念を超え、言葉を超え、理論を超えているので、「言葉にならない」と説かれました。
言葉では成り立たない真理だ、ということです。
逆説的に言葉にすることは出来ます。
一番有名な言葉は、「一切の苦しみを乗り越えた境地」という言葉です。
もう一つ、有名な言葉があります。
「涅槃に達していない人の心には、貪瞋痴があります。貪瞋痴が根絶してから、生まれる無貪、無瞋、無痴の境地は涅槃です。一切の認識機能を超えたところの境地が涅槃です。」
このように、ズバリ、と答えられますが、これを聞かれた皆さんは、理解が出来ないと思います。
理解が出来た気分にさせるだけです。涅槃は各自で、体験、経験するものです。
これを、分かりやすく教えた、譬え話があります。
池の中に、仲良しの魚くんと、亀さんが住んでいました。
ある日、突然、亀さんが、池から消えたのです。魚くんが、必死で友達を探したのですが、見つかりません。
何日間か、たったところで、また亀さんが、池の中にいます。びっくりした魚くんが、「あなたはどこにいたのですか」、と聞くと、亀さんは、「陸上に上がっていたのだ」と答えます。
魚には、「陸上」という言葉が理解出来ないので、質問します。「陸上って、良いところでしょうか」。
「池の中より、比較にならないほど、巨大で、とても良いところだ。」と、亀さんは、答えます。
魚くんに、「陸上の水は綺麗ですか？波の具合はどのようなものですか？泳ぎ具合はどのようなものですか？」と聞かれても、亀さんは、すべて否定形で答えます。
「水はありません。波もありません。泳ぐことも出来ません。」などなど、です。
魚くんは、「良いものは何もないのに、何で陸上は素晴らしいのか」と、さっぱりと分からなかった、といいます。
これは、ズバリ、涅槃とは何ですか、と理解したがる人の気持ちを説明するために使う、譬え話です。
知りたいが、知り得ない。しかし、そのような境地が確実にあります。
魚くんが、陸上を知りたければ、苦労して、進化しなくてはならないのです。
魚であることをやめて、最低、カエルぐらいに、成長しなくてはいけないのです。
私達で言うならば、心の凡夫（ぼんぶ）という次元を離れて、菩薩になることが出来たならば、ものの見事に、涅槃を体験、経験することが出来るのです。
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