(一部抜粋)
5月10日国連総会は緊急特別会合を開き、パレスチナの国連正式加盟支持を決議し、国連安全保障理事会に加盟の再検討を求めた。
賛成143か国(日本も賛成)、反対(イスラエル、アメリカ等)9か国、棄権25か国、投票不参加16か国であった。
反対を唱えるイスラエルのエルダン国連大使は壇上に上がり、国連憲章の表紙を手持ちのシュレッダーで裁断して見せ、Shame on you!(恥を知れ!)と怒鳴って退場した。
イスラエルのガザにおける無差別殺戮に世界の批判が高まっている最中にイスラエルは何故国連を侮辱するような行動を執るのだろうか。
シュレッダーを用意していたのだから、はずみ行為ではなく意図的に計画していたことは明らかであり、大使がネタニヤフ首相に隠れて行った行為でもない。
イスラエルは意図的に国際孤立に向かおうとしているように見える。
不思議なことで分からない時は、結果を見ると分かることがある。
結果は、当然イスラエルの国際孤立が深まる。
しかしイスラエルにとっては、もとより国際孤立しているのだから五十歩百歩である。
今アメリカ中の大学で対イスラエル反戦運動が広がり、かつてのベトナム反戦運動の様相を帯びてきた。
前記国連のパレスチナ国連加盟決議に常任理事国のアメリカが拒否権を行使して決議案を葬ったことへの抗議の声が上がっているところへイスラエルの国連侮辱。
ガザでの人道を配慮した行動をイスラエルに求めるアメリカの要求に聞く耳を持たないネタニヤフ、それでもイスラエルを支援するバイデンを見て学生、若者のバイデン離れが加速している。
ネタニヤフはイラン核合意で対イラン制裁を解いたバイデンが大統領選で敗北することを願っている。
米大使館をテルアビブからイスラエルが希望するエルサレムに移してくれたトランプ。
イスラエルの悲願、イランの軍事施設空爆を支持してくれるトランプ。
イラン核合意から脱退してくれたトランプ。
ガザからパレスチナ人を追い出し、イスラエル、サウジアラビアと共にガザを中東唯一の自由貿易、金融特区にしようとするトランプ。
イスラエルは米大統領選で、どんな手段を使ってもバイデンを敗北に追い込むだろう。
国連侮辱もそのうちの一つ。

増田俊男