(一部抜粋)
トヨタの2024年3月の連結決算は過去最高利益5兆3,529億円で前年比96.4%という驚くべき好決算であった。
中身を見ると、利上げによる利益が約1兆円、円安為替差益が約7,000億円、そしてEVの国際競争激化のおかげでトヨタのハイブリットが爆発的に売れたことが貢献している。
トヨタの膨大な利益のほとんどはいわゆる不労所得(ギミック利益)であり、他力本願だからトヨタが真に稼ぎ出した利益は限定的である。
東京市場の取引の大半を占める外資の運用は短期と長期にわたる。
日銀はFRBを配慮して独自に追加利上げが出来ず、円高の為にはFRBの利下げを待つしかない。
FRBの利上げは遠のくので円は安値圏から脱出は長引く。
短期筋は下がることが決まっている日本の資産(株式等)は売ることはあっても買える状態ではない。
一方長期筋は、為替変動に関わりなく企業の真の稼ぐ力を買う。
トヨタの真の稼ぐ力は米国企業の比べると低過ぎるから売っても買えない。

円相場は4月30日最安値160円を付け政府日銀のドル売り、円買い介入で152円まで上げたが又158円まで戻ったところで二度目の介入があり現在155円から156円まで下げている。

トヨタ株は図のように2017年から今日まで円安と共に下げている。
3月末から10%以上下げ5月10日一日で3%下げた。

歴史的好決算を成し遂げたトヨタの株価が、円安メリットを享受しながら下がるのは当然なのである。

増田俊男