金と鉄。

金にばかり関心が向くが、それが偏見と偏執の発祥である。

兌換(金と交換する、できる)という概念は、価値の根本にあり、それは、金の希少性による。暗号資産には、その希少性を確保するために、半減期(発行上限)が仕込まれている。

実は、地球の1/3は、鉄でできている(重量ベース)。実は、水が希少であることとは対照的である。

鉄は、リサイクルが可能であり、形状も自由である。強度も今の十倍までにできるという。

そんなことで、世界は鉄でできている。

鋼材は、建物、車、橋、強度をコントロールすることで高層ビルの基盤となり、橋梁を支え、車は、タイヤにでさえ、繊維状の鉄がびっしり敷き詰められている。

鉄道、の名の通り、電車のレールは鉄であり、日本のレールは世界最長の150mで継ぎ目も少なく滑らか、最高の乗り心地を実現している。

現実に金属製品の90%以上が鉄である。

その理由は、リサイクル率である。

理由は分別が楽だから。(磁石で簡単に分別できるため、「現実に」リサイクル率は90%以上となっている。(リサイクル「できる」とやれているは全く別の話。))

また、例えば、東京スカイツリーに使われている鋼材は、相応の強度と精度が、同時に要求される。具体的にミリ単位の精度の溶接が可能でなければならない。しかも現場の高所強雨風では、現場加工できないので、真円のシリンダー、など多様な部品形状が要求されその種類は、3万7千にもおよぶ。(中には一つの部品を作るのに半年かかるものもあるという。)

ここまでで、日本は、資源のない国、というのは、全くの幻想であることが、理解されるだろう。

移動、最重要なロジスティックに目を向ければ、船舶がある。(食糧エネルギー(原油タンカー)の大量、IKEAの家具などは、船舶によって輸送される。エネルギー(石油でもガスでも)のコストの大部分は輸送である。そうすると輸送の2大手段は、船かパイプラインかだが、どちらも鉄だ。これらをなくせば、世界がひっくり返る。(ノードストリームの新品パイプライン爆破が、EU(特にドイツ)のポジション二ングを完全に変えてしまった。)

ここまでで、鉄というのは、安全保障の要となっていることが理解されるだろう。(紀元前1500年以来、武器弾薬の大半が鉄で作られていることは言うに及ばず。)

原油(あるいは液化ガス)タンカーがなければ日本という国は成立しない。一旦事故が起これば、環境破壊も甚大だ。(現実には年間300件程度起こっている)これも、タンカーの浮遊構造、オイルを入れるコンパートメント(仕切り個別化)の細分化で、被害を軽減させてきたが、「伸びる鋼材」を使うことで、穴を開かなくすることができる(衝突してもその衝撃を吸収でき、オイル漏れしない)。これだとタイタニックの悲劇(氷山に激突)ももう起こらない。
この素材を自動車に使ったらどうだろう。これ、ただ強いのではなく、効率よく衝撃を吸収することがポイントである。交通事故死の減少は、ここにもかかっている。(「ハイテン」という鋼材が一般的になりつつある。このことにより30%以上の軽量化が可能だという。CO2排出の20%が車の排気だが、これも減らせる、EVであっても燃費が良くなる。しかもその進化系である「高成形性ハイテン」は、加工性が高いという。)
今後は真の生成AI(LLMとは2桁違う世界)の活用によって、素材の進化は、凄まじいことになるだろう。(高成形性ハイテンの出来栄えは、鉄の結晶構造の大きさの最適配分で決まる。)

ここまでで、鉄というのは、環境・人命を守る安全性の要となっていることが理解されるだろう。

私たちは、アルミでギガキャスト、みたいな(とんでもないメンテナンスフィーの高い)物を当たり前と思い込んでいるが、生成AIの世界は、それを激変させる。金だけに注目し、値段が上がった下がったと騒いでいるが、鉄というものに注目するだけで、これだけ違う世界(強度と成型性を自在にコントロールできる)が展開されつつある、ことをお知らせしておく。(この話は、さらに、モーター(EVな)の素材における「磁束」のコントロール(電磁鋼板)の話につながっていく。これらを総合していくと未来の自動車の容姿は、サイバートラックとは似ても似つかぬものになることが理解される。そもそも、今の旬は、水素鋼管であり(水素を前提とした、鉄(水素鋼管)を中心としたファシリティ形成)、もう次の時代に移り始めている。)

中国で有り余っている鉄と、日本で作られている鉄は、同じ「鉄」なれど天地ほども違う(似ても似つかぬ)ものなのである。(そのことをあなたは知らない。つまり、未来世界が何も見えていない、ということだ。)

Re-Shared Comment:
>水素鋼管
これにより水素ステーションを、住宅街に設置することが「初めて」
可能になった。(今までは絵空事だったんだよ)
左(HRX19)が鉄(水素鋼管)、右がステンレス(従来品)。

ポイントは、溶接可能性(繋ぎ目)、穴が大きいこと(扱える水素量が格段に違う)もちろん強度を保ってのことだ。逆にステンレス鋼管でこの大きさしか取れなかったということはそれだけリスクが高い(漏れ、爆発など)ということ。どちらにせよ曲げられないので、方向転換が大変。それが鉄は溶接ですむ(ステンレスは大きなボックスが必要)。
」(コメ欄に現実の比較写真)

《写真》柔らかくて硬い鉄「高成形性ハイテン」、の内部構造。
(Japan Steel 資料から)


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