【うつ病と歯根破折 実は同じ原因で症状が出ているところが違うだけの可能性、ストレスと比例して激増している】歯根の破折が増えています。この歯の破折に関して、少し古いですが、2007年に調査した8020財団による調査と、母集団は違いますが2001~2002年に横浜市歯科医師会で調べた抜歯の原因の調査がありますので比較します。かつて1970年までは抜歯の原因は虫歯が殆どであり、その後口腔清掃などの口腔衛生知識と学校検診などの公衆衛生の向上によって、80年代からは、歯周病が一番の抜歯の理由になりました。ところが、8020財団による調査でも、歯の破折がすでに10年前の調査でも11.4%になっています。近年になって突然、歯根破折による抜歯が増え始めたのです。

 そしてその歯根破折は、神経のない歯の方が神経のある歯より圧倒的に多いのです。

 その理由は、歯の神経である歯髄には、もちろん神経に加え、動脈・静脈・リンパ系が存在し、神経のある歯は正に生きていて、虫歯や歯周病にたいする免疫でバクテリアと戦っているのみならず、歯に力が加わって折れようとしても、これに抵抗して歯の破壊を修復しているのです。

 補綴象牙質や新生象牙質といって、歯の象牙質には歯の神経のなかで様々な力や感染に対して戦い、あらたに新生や再生する能力を有しているのです。

 一方、神経を抜いた歯は枯れ木とおなじで、過大な力によって折れてしまい、二度と再生しないのです。

 このような歯の破折に比例して増加しているのが、なんとうつ病などの精神疾患です。グラフをみてください。

 認知症は老化現象によって増加することもありますから除外したとしても、うつ病の増大はとてつもない数です。

 これは精神科医や心療内科医が安易に向精神薬を投与することによって依存症が増えている要素もあると思いますが、それにしても社会がストレス社会になっていることが伺えます。

 さらにその向精神薬の市場規模は、統計のある1994年から2015年だけでも、約4倍という巨大なマーケットになっています。

 自動車がこの20年4倍も売れるようになったら…と考えてください。とてつもなくうつ病が増大しているのです。

 ストレス性顎関節症の患者にも、うつ病の患者にも共通して出てくる症状に、下記のものがあります。

 歯根破折が多発することがあるのです。これらの患者さんは似たような共通の特徴があります。それは、
・知覚過敏症
・多発性の隣接面う蝕(歯と歯の間にだけ、虫歯が多発する)
・歯根露出(歯茎の外側だけ、どんどん歯肉が下がっていく)
・咬耗症(歯の異常摩耗)
・酸蝕症(酸性物質によって歯が溶けていく病気)
・顎関節症(顎関節円板の前方転移が多い、顎がガクガクなったりクリックする)
・頭痛
・肩こり
・ストレス過多
・腰痛
・40肩、50肩
そして、時として合併するのが、
・両手のしびれ
・膝や足の痛み
・歩行困難
・頸椎症
・ストレートネック
・耳鳴り
・難聴
・めまい、吐き気
・うつ病、双極性障害、睡眠障害などの精神疾患
・GERD(逆流性消化器炎)
・目の片側だけ乾燥
さらに
・IBS(過敏性腸症候群)
・月経困難(生理痛、生理過多、あるいは無月経など)
・目の周りのけいれん、とくに片側にのみ発生
・顔面神経麻痺、顔面神経痛、三叉神経痛などの神経障害
・味覚障害
・チック症(トゥレット症候群など)

 そして、これらの治療に対して、局所に対する対症療法をのみ行った結果の、
・整形外科的治療、外科の結果による後遺症
・ステロイドなど治療による副作用
・精神疾患治療薬によっておこった薬物依存症
・婦人科系疾患にたいするホルモン療法による副作用、不妊症など
 ここでは増大する精神疾患の数と精神科医の治療の問題、局所しか治療しない医師・歯科医師の問題には敢えて触れませんが、これも大きな社会問題です。

 さて、歯とうつ病がなぜ関係があるのか?ヒントは脳内麻薬物質のベータエンドルフィンです。

 人は、ストレスがあると食いしばりをします。

 聖書や古事記などの古典にも、ストレスと食いしばりの記載がしばしば見られます。

 たとえば聖書にはしばしば歯ぎしりに関する記載が見られます。代表的なものを記します。

「この国の子らは外のやみに追い出され、そこで泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。」(マタイ8:12)

「人の子はその使たちをつかわし、つまずきとなるものと不法を行う者とを、ことごとく御国からとり集めて、炉の火に投げ入れさせるであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。」(マタイ13:41-42)

「そこで、王はそばの者たちに言った、『この者の手足をしばって、外の暗やみにほうり出せ。そこで泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう』。」(マタイ22:13)

「あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが、神の国にはいっているのに、自分たちは外に投げ出されることになれば、そこで泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。」(ルカ13:28)

 このように、2000年以上まえから、人類はストレスがあると、歯ぎしりや食いしばりをすることをしっており、聖書などの古典にもしばしば、というか、よく記載されています。

 現代語でも、歯がゆいという言葉があります。

 実際には、歯が凍みたり、痛んだりすることはあっても、歯が掻ゆいという実際の事実はありません。

 なので、字面通り掻ゆいといういみではなく、思い通りに行かなくてもどかしいというストレス状態で歯ぎしりし、あたかも
『歯で歯を掻いている』

 という内臓感覚の言葉なのです。

 内臓感覚とは、たとえは『断腸の思い』『肝が据わっている』『胆力がある』『はらわたが煮えくりかえる』『むかつく』などの主に消火器を中心とする感情の言葉です。この中に、歯がゆいという言葉も入るのです。

 内臓感覚に関しては、すでに詳細にアップしているので、こちらから。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1452850861454465&set=a.238035966269300.57004.100001886941835&type=3&theater

 つまり、ストレスがあると、人間は食いしばりをしているわけです。これを歯がゆいと表現するのです。

 それはいったいどんな医学的科学的根拠があるのでしょうか?

 実は、人間はストレスがあると食いしばりをすることによって、ベータエンドルフィンという脳内麻薬物質を分泌します。

 これは、文字通り麻薬のような物質なので、多幸感を導き出します。これによって、ストレスを回避しているのです。

 同時に、ベータエンドルフィンは、免疫力を増大させます。なので、風邪を引いたりしたときなど、人間は歯ぎしりをすることによって免疫力を増大し、速く病気を治そうとします。

 風邪を引いたときに、葛根湯という漢方薬をつかいますよね?また、肩こりそのものにも葛根湯は効きます。

 一体全体なぜ風邪にもかたこりにも効くのか?という理由は、葛根湯の葛根という成分は、胸から頭にかけての炎症を全て取る漢方薬だからです。

 なので、葛根湯は風邪にも効きますし、肩こりにも効きます。胸にも聞きますから、母乳の出すぎる方には母乳を減らし、母乳の出ない方には母乳の出る量を多くしてくれます。つまり、食いしばることによって免疫力を上げているのです。

 しかしながら、そのような素晴らしいベータエンドルフィンにも欠点があります。

 それは、脳内麻薬というだけあって、依存性があるからです。

 ベータエンドルフィンは、ストレスによる食いしばりのみならず、強い光や音にも反応してでます。また、ギャンブルなどで興奮しているときでもベータエンドルフィンは分泌されることが分かっています。

 パチンコ屋さんで、フラッシュのような強い光や電子音によって、ギャンブルに加えて光や音によって、より多くのベータエンドルフィンがでることで多幸感となり、まさに麻薬のような依存症になっているのです。これは、クラブやかつてにディスコ、またライブハウスなども同じ原理で依存症を起こすのです。

 では、ストレス状態、すなわちうつ状態になっているときにベータエンドルフィンが出ているわけですが、これに向精神薬が加わったらどんなことが起こるのでしょう?

 ベータエンドルフィンも向精神薬も依存症になります。

 うつ病患者が増えているのも、薬物依存症が増えているのも、向精神薬の出荷数と売り上げ数が増えているのも、歯根破折がふえているのも、すべてつながっている話です。

 結局入り口は歯科と医科でちがっても、治療する内容は、ほとんど同じだったりすることが多いのです。


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