【質問】
 
「仏教は生死輪廻を説かなかった」という人がいましたが、反論をお願いします。
 
【回答】
 
「仏教は生死輪廻を説かなかった」という訳では決してありません。

むしろ「実際には積極的に説いてきた」と言えます。
 
その一つが「四有(しう)」の教え、説です。
 
ここでいう「有(う)」とは、
個体の構成要素の五蘊(ごうん)のことであり、
「その在り方に四つの形態を経る」と見るものです。
 
すなわち、生有(しょうう)→ 
本有(ほんぬ)→ 死有(しう)
→ 中有(ちゅうう) → 
生有 ーーーーーと個体は経めぐっていく、と言われます。
 
この中、「生有」と「死有」とは、生まれる刹那、死ぬ瞬間のことで、一刹那と考えられています。
 
「本有」は、業によって決定されている生涯の一期のことで、
「中有」は、死後、次の世に生まれるまでの期間をいうものです。

いわゆる、幽霊の世界などです。
 
『仏典』には、死期の様相についても、結構、詳しく描写しています。
 
これは『倶舎(くしゃ)論』にありますので、日本仏教では、権威がありますが、
真実ではないところもあるかも知れませんが、一応、参考までお知らせします。
 
「死ぬ間際に、身体中に、四、五百あるというツボのような末魔(まつま)が断割される」といいます。
 
「断末魔の苦しみ(末魔が断ぜられる)がある」とも言われます。
 
また「死ぬ時には光に出会う」ということも説かれていたりします。
 
また「中有の世界」では、
「業により、確定している次生の世界の個体の身体に似るものを有している」と言われます。

それが、如当本有形(にょとうほんうけい)です
 
それは「普通の肉眼には見えないようで、その身体は物理的抵抗性にさえぎられることはない」そうです。
 
更に、「この中有には短くて、7日間、最長で、49日間、滞在する」とも説かれています。
 
ここから、日本の葬儀の後、四十九日の法事を営む風習が出来たみたいです。
 
この「四有」の説は、生死輪廻の基本的な説ですが、

世間でよく知られている輪廻説は、「六道輪廻」説です。

仏教では、六道輪廻は大前提の教えです。

輪廻からの解脱(迷いの世界からの脱出)が、仏教の究極の目的です。

仏教は、「出世間」の教え。
「世間(迷いの世界)を出る、世間の迷いを離れて、悟りを開く」涅槃に入る教えです。
 
https://youtu.be/SCqS-Zaw2pI?si=IjpYsRfPY0iymiml


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