「ハゲワシと少女」と名付けられたこの写真をご記憶の方も多いだろう。1993年、内戦による絶望的な飢餓に苦しむスーダンで、南アフリカの報道写真家ケビン・カーターによって撮られた。翌年、ピュリッツァー賞を受賞すると、そのひと月後にカーターは自殺した。「なぜ少女を助けなかったのか」… 彼のもとには賛辞とともに、その数倍にのぼるバッシングの声が寄せられていた。「報道か?人道か?」… この写真は重い命題を我々に突き付けた。写真を撮ったあと、カーターが木陰に座り込み、ひとり泣き続けたのを知る人は少ない。
初めて知った事実がある。スーダンの主食はソルガムという雑穀だが、この写真が撮られたちょうどそのころ、日本はこれを家畜の飼料として輸入し始めた。ならばハゲワシと日本が重なる。国内の農地は荒れ放題なのに、なんでも輸入に頼ろうとする日本。「食料の輸入」は「飢餓の輸出」につながる。
ウクライナ戦争でまたしてもアフリカに深刻な飢餓が訪れるという。しかし、それは決してひとごとではない。

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