トランス脂肪酸について

トランス脂肪は今、海外では最も危険視されている脂肪である。しかし日本人でそれに気付いている人はまだまだわずかしかいない。トランス脂肪は、不飽和脂肪を加熱し、水分を蒸発させ、脂肪を凝固させたものである。その上で脂肪に水素分子が加えてある。この不自然な水素添加プロセスで脂肪の化学構造が変化する。こうした脂肪は人工のもので自然には存在しない。なぜこうするかという一番の理由は保存という意味でも長持ちするからだ。トランス脂肪の代表格が「マーガリン」であり「ショート二ング」である。これらはプラスチックとほとんど変わらない構造をしており、食べ物と呼ぶことは到底不可能である。先ほどの動物性の飽和脂肪は健康に寄与する可能性が十分あるが、このトランス脂肪という不自然な脂肪には健康に寄与する可能性は全くないと言っていい。

海外の消費者はトランス脂肪酸の危険性にすでに気づいているようだ。ニューヨーク市が初めてトランス脂肪を完全禁止したそうが、他の都市も間もなく追随するだろう。欧州ではデンマークが一番進んでいて、トランス脂肪を2%以下に制限している。トランス脂肪は、糖類とともに、糖尿病、高血圧、コレステロール疾患、心臓血管の病気、癌、リウマチ性関節炎、カンジタ症、アレルギー、うつ、慢性疲労などあらゆるものに関与する。トランス脂肪は、身体にとって異物であり、細胞(DNA)を損傷させる能力を持つ危険な物質なのである。砂糖や人工甘味料と同様に、そのダメージは蓄積していく。トランス脂肪を長く食べ続けるほどダメージも大きくなる。

ここからは具体的な話に入っていくが、たとえばスーパーやコンビニやデパートで売られている一般的なサラダオイルや調理用オイルなどは、リスクが高い油の代表格といえる。サラダオイルなどは大豆油や菜種油、綿実油やコーン油、ごま油やオリーブ油などを混ぜ合わせて抽出加熱処理をして作られるが、この精製時に油の分子構造がトランス脂肪酸に変化してしまっているものばかりなのだ。そして先進国の中で「トランス脂肪酸」の表示義務が無いのもこの国だけである。

当然のことながら、原材料にもともと含まれている有用な物質などは消えてしまい、様々な添加物が混入されて製品化されている。欧米ではBHAなどは危険極まりない発がん性のため規制対象となっているが、この国ではまだまだサラダオイルに混入されている。また、キャノーラ油などは原材料として遺伝子組み換え食品が多く、こちらも危険な油の代表格である。またナタネが農薬や化学肥料を使用して栽培されたものも多いとされ、残留農薬のリスクは常につきまとう。食品の買い物をするときに、どうやってトランス脂肪酸を見つければよいか?基本はラベルを見ることである。水素化油脂(もしくは植物性油脂)を探せばよい。今日の食品にはほとんど含まれており、我々はトランス脂肪酸に汚染されているのがよくわかる。

<医者いらずの食べ方より抜粋>

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