肉食がいい、草食がいいという愚考

まず肉食が推奨される理由は、それが良質のアミノ酸でありしかも必須アミノ酸を取りやすいという点だ。アミノ酸スコアという言葉を使うが、これについては自分で調べて欲しい。たしかに肉や魚のほうが大豆などよりスコアは高く、栄養学的には間違ってないと言えば間違っていない。しかしここについても反論する栄養学者は必ず存在するだろう。私にとってはどっちでもいいことだが。

拙著「医学不要論」にも描いた有名な話として、イヌイットの人たちは、野菜はほとんど食さず、アザラシや白熊の肉を主食にして生きてきた。そして長寿を保ち癌や心筋梗塞などに殆どかからなかったという研究がある。これはこれで事実であり、彼らイヌイットが原住地から西洋文明の中に引っ越して不健康になった証拠も数多いとされている。これはこれで事実であり、これだけを見れば肉食が悪いという話につながらなくなってしまう。
  
また、日本でアイヌなども熊や鹿の肉を食べていたし、インディアンも鳥や獣の肉を食べていた。虫などを食する民族もいたようである。そしてそれらはインディアンの族長の言葉をページに示したように、非常に長寿で健康な人々が多かったとされている。

ところがフルータリアンやイモとかで長寿を保っていた人々が存在している。エベレストやチベットに多いと聞いたことがあるが、きちんとした統計はあまり見かけることはないが、別に私は嘘だとおもってはいない。しかし、これはまた、これまでの肉食で長生きしている人たちの話を部分的に否定する話である。もちろんここでは肉や果実の中に現在含まれている化学物質や、野菜の農薬その他の問題など論外として扱っている。
  
ここで愚かな人間たちはすぐにこのように考える。つまり「どっちが正しいのか」ということと、「どっちを自分が用いようかな」ということをだ。こう考えてしまうことは人類教育の誤りに元凶があるのだが、とにかくこのように考えても幸せが訪れることはあまりなさそうなことはすでに書いた通りだ。それをこの章ではもう少し掘り下げて書いてみる。

「正の不存在」と「人類の愚かさ」と「愚考する市民たちの正当化」についてはこれまで何度も書いてきた。結局肉食主義であれ菜食主義であれ、双方に一定の正しさがあり健康への秘訣があるにもかかわらず、あらゆる学者や食事に関わる人間たちは、自説が正しいということにしか興味が無いということこそが問題だ。彼らにとって最も重要なのは「自分が正しい」ということであって好奇心ではない。

<医者いらずの食べ方より抜粋>

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